セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
64:高カルシウム血症を合併した胆管原発腺扁平上皮癌の一例
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演者 |
今村 ひとみ(長崎市立病院 成人病センター) |
共同演者 |
福田 康弘(長崎市立病院 成人病センター), 増田 淳一(長崎市立病院 成人病センター), 阿保 貴章(長崎市立病院 成人病センター), 七島 篤志(長崎市立病院 成人病センター), 林 徳真吉(長崎市立病院 成人病センター) |
抄録 |
高カルシウム血症を合併した胆管原発腺扁平上皮癌の一例 長崎市立成人病センター内科1)、長崎大学医学部総合診療科2)長崎大学医学部第1外科3)長崎大学医学部付属病院病理部4)今村ひとみ1)、増田淳一1)、福田康弘1)、竹島史直2)、阿保貴章3)、七島篤志3)、林徳真吉4)胆管原発の比較的稀な腫瘍である腺扁平上皮癌に、腫瘍随伴症候群によると思われる高カルシウム血症を合併した一例を経験したので報告する。症例は71歳男性、2005年6月29日感冒様症状を主訴に近医を受診した。血液検査にて胆道系優位の肝機能異常(T-Bil: 1.20 mg/dl、AST: 113 U/L、ALT: 198 U/L、LDH: 153 U/L、ALP: 1843 U/L、LAP: 292 U/L、γGTP: 1150 U/L)を認め、精査加療目的に当科紹介入院となった。CT、US、ERCP、MRCPにて総胆管中下部の悪性腫瘍による閉塞が疑われた。腫瘍マーカーではCEA、CA19-9は正常範囲であったが、DUPAN-2: 1100 U/ml、Span-1: 60 U/mlは高値を示した。平成17年8月6日 診断的意味も含めて手術を施行し、病理にて角化を伴う扁平上皮癌部分と腺癌成分との混在が見られ、中下部胆管原発の腺扁平上皮癌と診断された。術後経過は良好であったが、2005年11月、全身倦怠感を主訴に入院となり、精査の結果肝転移を認めた。入院直後より意識障害とともに高カルシウム血症(血清Ca 16.7mg/dl)を認め、PTHrPが25.4pmol/Lと高値であったことより腫瘍によるPTHrP産生と考えられ腫瘍随伴症候群と診断した。対症療法のみ施行したが、次第に全身状態悪化し2006年12月4日死亡した。胆管腫瘍の経過観察中に意識障害を認めた場合、脳血管障害や電解質異常等の鑑別を行い、高Ca血症を伴う際には、腫瘍随伴症候群の関与も考えPTHrP等の検索をすることも必要と考えられた。 |
索引用語 |
腺扁平上皮癌, PTHrP産生腫瘍 |