セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
9:術後早期に多発肝転移を来たし、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合カプセル剤(TS-1)とシスプラチンの併用療法が奏功した胃癌の1例
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演者 |
板場 壮一(九州大学 病態制御内科学(第3内科)) |
共同演者 |
吉永 繁高(九州大学 病態制御内科学(第3内科)), 樋口 奈緒美(九州大学 病態制御内科学(第3内科)), 水谷 孝弘(九州大学 病態制御内科学(第3内科)), 金山 兼司(九州大学 病態制御内科学(第3内科)), 隅田 頼信(九州大学 病態制御内科学(第3内科)), 本田 邦臣(九州大学 病態制御内科学(第3内科)), 秋穂 裕唯(九州大学 病態制御内科学(第3内科)), 中村 和彦(九州大学 病態制御内科学(第3内科)), 高柳 涼一(九州大学 病態制御内科学(第3内科)), 永井 英司(九州大学 臨床・腫瘍外科), 神代 由美子(九州大学 形態機能病理学), 八尾 隆史(九州大学 形態機能病理学) |
抄録 |
症例は68歳、男性。1993年喉頭癌と診断され放射線療法施行。2005年2月貧血を契機に上部消化管内視鏡検査施行。胃前庭部に2型進行癌を指摘された。術前画像診断では肝転移を認めなかった。2005年3月4日幽門側胃切除術、D2リンパ節郭清施行。病理結果をふまえた最終診断はT2(mp), N0, P0, H0, M0, stage Ibであり、組織型は中分化腺癌であった。3月25日退院となり外来経過観察となっていたが、6月より腹痛、食欲不振、全身倦怠感を認めていた。7月血液生化学検査にて肝胆道系酵素の異常を指摘され、腹部超音波検査、腹部CTにて肝両葉に多数の転移を認め、化学療法目的で7月20日当科入院。肝腫瘍生検にて中分化腺癌であることを確認し、7月27日よりTS-1(80 mg/m2, 3週投与2週休薬)+CDDP (70 mg/m2, day 8)投与を行った。2クール投与後肝転移の著明な縮小を認めたが、全身倦怠感などの副作用のため一時休薬せざるを得なかった。11月7日よりTS-1単独で再開したが、12月の腹部CTにて肝転移巣の増大を認めた。平成18年1月10日よりbi-weekly パクリタキセル (100 mg/m2)に変更したが、2回目の投与時に呼吸困難等のアナフィラキシー症状を認めパクリタキセル投与を中止した。その後感染を合併し、しばらく抗癌剤投与を中止していたが、2月28日よりCPT-11+CDDPによる治療を行っている。今回手術時stage Ibと診断された胃癌が術後4ヶ月という短期間で肝全体を占めるような多発肝転移を来たし、TS-1/CDDP併用療法が奏功した1例を経験した。文献的考察をふまえ報告する。 |
索引用語 |
胃癌, 化学療法 |