セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 15:G-CSF産生胃癌の1例 |
演者 | 郡 美穂(長崎県離島医療圏組合 五島中央病院 外科) |
共同演者 | 小坂 太一郎(長崎県離島医療圏組合 五島中央病院 外科), 常岡 伯紹(長崎県離島医療圏組合 五島中央病院 外科), 原口 正史(長崎県離島医療圏組合 五島中央病院 外科), 古井 純一郎(長崎県離島医療圏組合 五島中央病院 外科), 森脇 裕司(長崎県離島医療圏組合 五島中央病院 内科), 草刈 千雅(長崎県離島医療圏組合 五島中央病院 内科), 木下 秀樹(長崎県離島医療圏組合 五島中央病院 内科), 伊藤 裕司(エスアールエル西日本総合研究所病理細胞診) |
抄録 | 症例は53歳、男性。食欲不振と発熱を主訴に近医を受診し、白血球と血小板増多を認め血液疾患が疑われ内科に紹介入院となった。〔入院時現症〕体温38.4℃、眼瞼結膜に貧血を認めた。表在リンパ節は触知せず、胸腹部に異常はなかった。〔入院時検査所見〕Hb 10.0g/dlと低下し、WBC 31,400/μl(好中球分画 87%)、Plt 506,000/μlおよびCRP 17.6mg/dlと高値を示した。肝・腎機能は異常なく、腫瘍マーカーは基準値内であった。血清G-CSF値220pg/ml、IL-6値69.5pg/dlと高値を示した。〔腹部CT〕胃体上部後壁に膵体尾部との境界が不明瞭な6cm大の腫瘤と脾動脈、腹腔動脈周囲リンパ節の腫大を認めた。肝転移、腹水は認めなかった。〔MRCP〕膵管の拡張や途絶は認めなかった。〔胃内視鏡検査〕胃体上部後壁に1型の隆起性病変を認め、易出血性であった。組織生検では低分化腺癌であった。G-CSF産生胃癌を疑い手術を施行した。〔手術所見〕腫瘍は胃体上部後壁に存在し、膵体尾部に浸潤し周囲リンパ節と一塊となっていた。進行度T4 (Si panc) N2H0P0CYXMO Stage IVであったが腫瘍からの出血を認めたため姑息的胃全摘術を行った。〔病理学的所見〕腫瘍は5.5 x 4.5cmの1型腫瘍で、多核の巨細胞を混じた低分化腺癌であった。免疫組織染色でG-CSF陽性であった。〔術後経過〕術後は良好に経過しWBC 19,870/μl、CRP 12.3mg/dl、血清G-CSF 117pg/mlおよびIL-6 30.7pg/dlと低下した。現在CPT-11, CDDP併用化学療法中で白血球と血小板の低下傾向が認められる。〔まとめ〕手術にて白血球数および血清G-CSF値が低下し、腫瘍細胞がG-CSF免疫組織染色陽性よりG-CSF産生胃癌と診断した。 |
索引用語 | 胃癌, G-CSF |