セッション情報 一般演題

タイトル 137:

消化管の上皮下低エコー腫瘍鑑別診断における超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引生検法の意義

演者 赤星 和也(株式会社麻生 飯塚病院 消化器内科)
共同演者 隅田 頼信(株式会社麻生 飯塚病院 消化器内科), 久保川 賢(株式会社麻生 飯塚病院 消化器内科), 本村 廉明(株式会社麻生 飯塚病院 消化器内科), 大内 二郎(株式会社麻生 飯塚病院 消化器内科), 木村 光秀(株式会社麻生 飯塚病院 消化器内科), 村田 篤彦(株式会社麻生 飯塚病院 消化器内科), 遠藤 伸悟(株式会社麻生 飯塚病院 消化器内科), 松本 真裕(株式会社麻生 飯塚病院 消化器内科), 村山 通秋(株式会社麻生 飯塚病院 消化器内科), 中村 和彦(九州大学医学部病態制御内科)
抄録 【目的】EUS画像のみによる消化管の上皮下低エコー腫瘍鑑別診断は大変困難である。超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引生検法(EUS-FNAB)は消化管内外の病変の組織を少ないリスクで採取するのに有効な検査法である。そこで消化管の上皮下低エコー腫瘍鑑別診断におけるEUS-FNABの役割を検討した。【対象と方法】2002年9月から2005年11月までに、当科のconventionalEUSにて消化管の上皮下低エコー腫瘍と分類され、鑑別診断のためEUS-FNABを施行し、外科切除を含む最終診断と対比可能であった消化管粘膜下腫瘍様病変24例を対象とした。超音波内視鏡はオリンパス社製GF-UC240P、フジノン東芝社製PEF-708FAで、穿刺針はオリンパス社製NA11J-KB、22Gを使用した。検体採取後直ちに細胞診スクリーナーにより迅速染色法であるメイ・ギムザ染色を施行し、評価可能と判断した上で穿刺を終了した。EUS-FNAB所見と術後病理組織所見(外科切除20例)または経過観察所見(4例)を対比しのEUS-FNABの診断能を検討した。【成績】経過観察を含む24例の最終診断の内訳はGIST16例、副脾1例、神経鞘腫1例、平滑筋腫1例、悪性リンパ腫1例、直腸癌吻合部再発2例、食道癌1例、迷入膵1例であった。消化管の上皮下低エコー腫瘍鑑別診断における正診率は88%(21/24)であった。GISTに対する免疫組織所見を加味したEUS-FNAB診断の正診率は94%(15/16)と良好であった。偶発症は一例に粘膜下血腫を認めたものの吐下血や穿孔といった重篤なものは認めなかった。【結論】EUS-FNABは消化管の上皮下低エコー腫瘍の治療前組織診断を安全かつ正確に行える検査法である。また免疫組織所見を加味したEUS-FNAB診断はGISTの鑑別診断、治療法の選択に極めて有用な役割を果たすものと考えられる。
索引用語 EUS-FNA, 消化管粘膜下腫瘍