セッション情報 一般演題

タイトル 17:

胃穿孔を機に発見された胃悪性リンパ腫の1例

演者 松永 宗倫(西田病院 外科DELIMITER大分大学医学部 腫瘍病態制御講座(第2外科))
共同演者 野口 剛(大分大学医学部 消化器外科), 岡村 一樹(西田病院 外科), 加島 健司(大分大学医学部 病理学), 川原 克信(大分大学医学部 腫瘍病態制御講座(第2外科))
抄録 症例は,73歳,男性.H17年10月14日から心か部痛あり,同年10月17日症状が増悪したため当院救急外来受診となった.腹部CTでは,肝腹側にfree airと腹水を認め,緊急上部消化管内視鏡検査では,胃体下部前壁に2型の潰瘍性病変を認めた.胃穿孔と診断し,緊急手術を施行.初回手術では,穿孔部単純縫合閉鎖術と大網被覆術を行った.術中穿孔部より切除した病理組織から,悪性リンパ腫との診断が得られたので,初回手術後10日目に胃全摘術,D1郭清,Roux-en Y再建術,胆嚢摘出術を施行した.病理診断は,胃原発悪性リンパ腫,diffuse Large B-cell Lymphomaであり,リンパ節転移は認められなかった.臨床病期は,Ann-Arbor分類でstageI,Naqvi分類でStageIII,胃癌取り扱い規約ではStageIIであった.今回我々は、比較的まれであるとされる胃穿孔による腹膜炎を契機として偶然発見された胃悪性リンパ腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 胃悪性リンパ腫, 胃穿孔