セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸-症例報告3
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タイトル |
消P-445:下痢型過敏性腸症候群患者の大腸をcine MRIにより観察した経験(症例報告)
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演者 |
渡部 健二(大阪大大学院・消化器内科学) |
共同演者 |
礒崎 耕次(礒崎医院), 荻山 秀治(大阪大大学院・消化器内科学), 飯島 英樹(大阪大大学院・消化器内科学), 筒井 秀作(大阪大大学院・消化器内科学), 辻井 正彦(大阪大大学院・消化器内科学), 竹原 徹郎(大阪大大学院・消化器内科学) |
抄録 |
【はじめに】大腸運動を非侵襲的かつ客観的に評価する診断法の開発が期待されている。今回我々は下痢型過敏性腸症候群(IBS)患者を対象としてcine MRI撮像を行い、興味深い結果を得たので報告する。【症例】下痢型IBSの30台男性。横行結腸冠状断面像をMRIのHASTE法により5秒間隔で15分間連続撮像した。横行結腸はハウストラが不明瞭であったが、上行結腸側から下行結腸に向かって腸液の通過が秒速5cmで観察され(図)、それ以降管腔は狭くなりハウストラの指摘は困難となった。検査途中で患者は腹痛を覚え、終了後に水様便を排泄した。患者はラモセトロン5μg/日の内服を開始し、下痢・腹痛の症状は改善した。再びcine MRIを撮像すると、横行結腸の管腔は広がりハウストラを明瞭に認めた。局所的な分節運動を周期的に認めたが、腸液の通過は観察されなかった。【考察】下痢型IBS患者の大腸をcine MRIで観察すると、ラモセトロン投与前後で明らかな管腔径と腸管運動の違いを認めた。cine MRIは下痢型IBSの病態および治療効果を評価する有用なツールである可能性が示唆される。 |
索引用語 |
過敏性腸症候群, cine MRI |