セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告3

タイトル 消P-446:

CT colonographyが確定診断に有用であった腸管嚢腫様気腫症の4例

演者 加藤 貴司(北海道消化器科病院・内科)
共同演者 佐々木 清貴(北海道消化器科病院・内科), 藤澤 良樹(北海道消化器科病院・内科), 町田 卓郎(北海道消化器科病院・内科), 碇 修二(北海道消化器科病院・内科), 山田 裕人(北海道消化器科病院・内科), 中村 英明(北海道消化器科病院・内科), 加賀谷 英俊(北海道消化器科病院・内科), 目黒 高志(北海道消化器科病院・内科), 堀田 彰一(北海道消化器科病院・内科)
抄録 【はじめに】腸管嚢腫様気腫症(PCI)は、腸管壁の粘膜下層や漿膜下層に多数の含気性嚢胞が発生する比較的まれな疾患である。TCSや注腸X線検査が診断に用いられてきたが、今回我々はCTcolonography(CTC)が確定診断に有用であったPCIの4例を経験したため報告する。【症例】(症例1)70歳代男性、糖尿病にてαグルコシダーゼ阻害剤を服用していた。近医にてスクリーニングのTCSを施行されたところ上行結腸に多発するSMTを認めたため当科を受診した。CTCを施行したところ多発するSMTとその内部に気体を認めたためPCIと診断した。症状なく無処置にて経過観察とした。(症例2)50歳代男性、発作性心房細動、高血圧の既往あり。便潜血陽性のため当科受診した。TCSを施行したところ上行結腸に多発するSMTを認めた。CTCにてSMT内腔の気体を確認しPCIと診断した。症状なく無処置にて経過観察とした。4か月後にCTCを再検したが変化を認めなかった。(症例3)10歳代男性、既往歴なし。腹痛にて当科を受診した。TCSを施行したところ上行結腸に多発するSMTを認めた。腹痛の原因はIBSを疑いメペンゾラート等を投与し経過観察としたところ、症状は改善傾向となった。6カ月後にCTCを施行し、SMT内腔の気体を確認しPCIと診断した。(症例4)70歳代男性、肺気腫の既往あり。数年来つづく腹満感を主訴に当科を受診した。TCSおよびCTCを施行したところ、S状結腸から盲腸まで多発するSMTを認め、CTCにてSMT内腔の気体を確認しPCIと診断した。【まとめ】当院で経験したPCI症例は全例男性であり、3例は基礎疾患を有していた。うち1例はαグルコシダーゼ阻害剤を服用していた。病変部位は3例が上行結腸に限局しており、残りの1例は上行結腸からS状結腸まで広い範囲に認めた。全例CTCにてPCIと診断しえた。PCI症例においてCTCでは多発するSMTと、その内腔の気体の存在を同時に確認することができ確定診断に有用であると考えられた。
索引用語 CTcolonography, 腸管嚢腫様気腫症