セッション情報 一般演題

タイトル 132:

治療しえた門脈ガス血症の2症例

演者 遠藤 広貴(済生会唐津病院 内科)
共同演者 萬年 孝太郎(済生会唐津病院 内科), 八田 美幸(済生会唐津病院 内科), 皆川 亮介(済生会唐津病院 外科), 小島 昌貴(済生会唐津病院 内科), 柳田 公彦(済生会唐津病院 内科), 千布 裕(済生会唐津病院 内科), 園田 孝志(済生会唐津病院 外科)
抄録 【症例1】60歳、男性。発熱・悪寒・右下腹部の違和感で発症し増悪あり当院紹介、入院時の血液検査で肝障害と感染炎症(WBC10000/μl、CRP17.0mg/dl)あり、腹部CTにて門脈ガス血症と回盲部憩室炎の所見を認めたが明らかな腸管虚血や壊死の所見を認めず、絶食、抗生剤点滴(SBT/CPZ1g×2/日、CLDM600mg×2/日 各11日間)にて加療し、速やかに門脈ガスの消失と感染炎症の改善をし治癒した。【症例2】84歳、男性。上腹部痛で来院。心房細動がありワルファリンカリウム内服し、入院時PT-INRは1.64であった。来院時腹部CTにて回腸に広範な拡張と壁の造影不良あり、腸間膜静脈から門脈内にガスが認められた。腹痛は軽度で全身状態も良かったが暗赤色の下血があり、血液検査にてWBC21500/μl(neu84%)、CRP2.3、BE-5.3mmol/Lと増悪したため腸管壊死を疑い外科にて開腹したが、回腸末端に約20cmの範囲で若干の虚血性色調変化・浮腫・壁肥厚を認めるも壊死を認めなかった為そのまま閉腹となり、後保存的治療にて治癒した。【まとめ】症例1は非虚血性病変に伴い、症例2は一過性だが虚血性の病変に伴うものと考えられた。特に虚血性病変に伴う門脈ガス血症は重篤とされるが、結果的に2症例とも保存的加療にて改善した稀な症例と思われたので、若干の考察を加え報告する。
索引用語 門脈ガス, 保存的療法