セッション情報 一般演題

タイトル 129:

CTにて診断し内視鏡的十二指腸異物(魚骨)除去後保存的に治療しえた後腹膜膿瘍の一例

演者 遠藤 広貴(済生会唐津病院 内科)
共同演者 萬年 孝太郎(済生会唐津病院 内科), 木村 和恵(済生会唐津病院 外科), 小島 昌貴(済生会唐津病院 内科)
抄録 症例は67歳、女性。平成16年7月27日、チヌ(体長50cm程度)のさしみを自宅でさばいて食べた。翌7月28日より38℃台の発熱、7月29日より上腹部痛出現し前医受診、同日の血液検査にてWBC7530/μl(neu82%)、CRP21.1mg/dlと炎症を認め当院紹介された。同日腹部造影CT(16列MDCT)施行したところ、十二指腸下行脚壁を貫く針状構造物28×1mmを認め、同部(膵鈎部と十二指腸水平部の間)に後腹膜膿瘍(free air、fluidなどを伴う炎症)を認めた。同日、上部消化管内視鏡検査を施行したところ腹部CTで認めたように、十二指腸下行脚乳頭肛門側の帯状ひだ付近に内腔に5mm程露出した魚骨を認め、内視鏡下に鉗子を用いて除去摘出した。その後抗生剤点滴(SBT/CPZ1g×2/日14日間、CLDM600mg×2/日 11日間)、絶食3日間後治療食など保存的治療にて、腹痛は4日間、発熱は6日間で消失、同年8月12日には血液検査でWBC3500/μl、CRP0.6mg/dlと改善、腹部CTにてもfree air、fluidなど所見改善し、同年8月13日に当院退院し、以後炎症や症状など再発を認めていない。魚骨はしばしば消化管を貫き難治性の膿瘍や腫瘤を形成し、外科的摘出やドレナージなど外科的浸襲的加療を必要とする。本症例は内視鏡検査以前に腹部CTにて十二指腸の魚骨の存在を診断し、かつ内視鏡的に魚骨を除去し、抗生剤加療などで保存的に治療しえた。若干の考察を加え報告する。
索引用語 魚骨, 内視鏡的異物除去