セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 148:漿液性嚢胞腺腫と通常型膵管癌を合併した一例 |
演者 | 大門 有由美(熊本大学 大学院 消化器外科) |
共同演者 | 新田 英利(熊本大学 大学院 消化器外科), 廣田 昌彦(熊本大学 大学院 消化器外科), 花岡 洋右(熊本大学 大学院 消化器外科), 本村 裕(熊本大学 大学院 消化器外科), 増田 佳子(熊本大学 大学院 消化器外科), 近本 亮(熊本大学 大学院 消化器外科), 柴田 宗征(熊本大学 大学院 消化器外科), 高森 啓史(熊本大学 大学院 消化器外科), 金光 敬一郎(熊本大学 大学院 消化器外科), 馬場 秀夫(熊本大学 大学院 消化器外科) |
抄録 | 症例は78歳女性。近医で胆道系酵素の上昇を指摘されCTを施行したところ、膵頭部に嚢胞性病変を認めたため当院を受診した。CTにて膵頭部に径3cm大の多胞性の嚢胞性腫瘍とその膵頭側に充実性腫瘍を認めた。入院経過中に閉塞性黄疸を来たしたため、PTCDを施行した。H18年1月24日、総胆管浸潤を伴う膵癌(T3 N0 M0 StageIII)および膵嚢胞性腫瘍の合併との術前診断にて亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。術中エコーにて検索すると充実性腫瘍の膵尾側に径1~数mm大の小嚢胞の集蔟を認め漿液性嚢胞腺腫と考えられた。術後経過は良好で一時、膵液漏を認めたが、保存的に軽快し、40病日に転院となった。摘出標本では、病理組織学的に内腔上皮が立方状の細胞で覆われた漿液性嚢胞腺腫の部分と、異型性の強い上皮細胞を有し間質部分にも異型細胞が腺管構造を呈し浸潤増殖している浸潤性膵管癌の部分を認めた。漿液性嚢胞腺腫の癌化または漿液性嚢胞腺腫と膵管癌との合併の両者が考えられたが、膵管癌組織の主座は漿液性嚢胞腺腫と近接しているものの部位を異にしており、後者と診断した。過去に膵癌と漿液性嚢胞腺腫を合併した報告はなく、非常に稀な症例と考え文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 漿液性嚢胞腺腫, 膵管癌 |