セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 41:消化管出血を契機に発見された十二指腸乳頭部癌の一例 |
演者 | 伊集 守知(麻生飯塚病院 消化器内科) |
共同演者 | 村山 通秋(麻生飯塚病院 消化器内科), 遠藤 伸悟(麻生飯塚病院 消化器内科), 村田 篤彦(麻生飯塚病院 消化器内科), 大内 二郎(麻生飯塚病院 消化器内科), 木村 光秀(麻生飯塚病院 消化器内科), 松本 真裕(麻生飯塚病院 消化器内科), 久保川 賢(麻生飯塚病院 消化器内科), 本村 廉明(麻生飯塚病院 消化器内科), 赤星 和也(麻生飯塚病院 消化器内科), 調 憲(麻生飯塚病院 消化器外科), 大屋 正文(麻生飯塚病院 病理部), 中村 和彦(九州大学 医学部附属病院 病態制御内科) |
抄録 | 【はじめに】十二指腸乳頭部癌の初診時の主訴は半数以上が黄疸であり、血液検査でも肝機能障害、ビリルビン上昇を指摘されるケースが多数を占める。今回我々は出血を契機に発見された十二指腸乳頭部癌の症例を経験したので報告する。【症例】68歳、女性。黒色便、全身倦怠感を主訴に当院外来受診、精査目的にて入院。血液検査所見では貧血を認める他は肝胆道系酵素、膵酵素の上昇は認めず、腫瘍マーカーはCEA、CA19-9とも正常であった。上部消化管内視鏡検査では十二指腸乳頭部の腫大を認め、開口部周囲は正常粘膜に被覆されており非露出腫瘤型の乳頭部癌が疑われた。Vater乳頭開口部口側隆起部の不整な潰瘍より湧出性の出血を認め出血源と考えられた。同部からの生検で腺癌と診断された。超音波内視鏡検査では乳頭部に1.8×1.4cmの低エコーの腫瘤を認め総胆管、主膵管への浸潤および膵実質、十二指腸壁外への浸潤も認めた。CT上は肝転移、リンパ節転移、腹膜播種は認めず、十二指腸乳頭部癌T3N0M0と診断、膵頭十二指腸切除術が施行された。病理組織学的には露出腫瘤型の高分化腺癌、pat AcbD、pPanc1a、pDU3、pT3、pN0、pME0、ly0、v1、pn0、リンパ節転移は認めず、胆嚢に悪性所見は認めなかった。【考察、結語】黄疸、肝機能障害を伴わず、消化管出血のみを来たした十二指腸乳頭部癌の一例を経験した。出血を契機に発見された十二指腸乳頭部癌は稀であると考えられ、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 十二指腸乳頭部癌, 消化管出血 |