セッション情報 一般演題

タイトル 42:

消化管出血を呈した巨大Brunner腺過形成の一例

演者 雨森 貞浩(佐賀大学医学部消化器内科)
共同演者 下田 良(佐賀大学医学部消化器内科), 坂田 資尚(佐賀大学医学部消化器内科), 大谷 響(佐賀大学医学部消化器内科), 山口 加奈子(佐賀大学医学部消化器内科), 綱田 誠司(佐賀大学医学部消化器内科), 坂田 祐之(佐賀大学医学部消化器内科), 水口 昌伸(佐賀大学医学部放射線医学), 岩切 龍一(佐賀大学医学部消化器内科), 藤本 一眞(佐賀大学医学部消化器内科)
抄録 症例は44歳の男性で、もやもや病による脳出血後遺症にて障害者施設入所中の患者。平成17年5月大量のタール便を主訴に近医にて上部内視鏡を施行したところ、十二指腸球部に有茎性腫瘍性病変指摘され、同部に凝血塊の付着をを認めたことより同部からの出血が疑われ、精査・加療目的にて当院紹介・入院となった。入院後の上部内視鏡検査では十二指腸下行脚に長いstalkを持った長径30mmの腫瘍性病変を認めた。腫瘍表面は発赤調で粘液の噴出し様の腺構造を認めた。明らかな出血は認めず、Hb10.8g/dlと明らかな貧血の進行も認めなかった。下部消化管内視鏡検査では他に出血源となりうる器質病変を認めず、待機的に内視鏡的ポリープ切除術を施行。切除標本では腫瘍径30×20×20mmで、病理組織所見にてBrunner腺過形成と診断された。治療前後において偶発症は認めず、治療経過良好にて退院となった。Brunner腺過形成とは、粘膜固有層の深層や粘膜下層に分布する異型性のないBrunner腺の増生により腫瘤を形成したものであり,一般的には20mmを超えるものは稀とされる.本症例は消化管出血にて発見された巨大Brunner腺過形成であり,貴重な症例と考えられることから若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 ブルネル腺過形成, 消化管出血