セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 45:狭窄を伴ったクローン病に対するInfliximabの投与経験 |
演者 | 中澤 潤一(宮崎大学 医学部 第二内科) |
共同演者 | 児玉 眞由美(宮崎大学 医学部 第二内科), 沼田 政嗣(宮崎大学 医学部 第二内科), 三池 忠(宮崎大学 医学部 第二内科), 有馬 志穂(宮崎大学 医学部 第二内科), 安倍 弘生(宮崎大学 医学部 第二内科), 上村 修司(宮崎大学 医学部 第二内科), 宇都 浩文(宮崎大学 医学部 第二内科), 坪内 直子(宮崎医療センター病院消化器内科), 佐々木 文郷(宮崎医療センター病院消化器内科), 堀 剛(宮崎医療センター病院消化器内科) |
抄録 | クローン病の病態の全体像は不明のままであるが、炎症性腸疾患においてサイトカインが重要な役割を有することはよく知られている。その中でもTNF-αはクローン病の主要な炎症メディエーターと考えられ、クローン病におけるTNF-αの作用を抑制する目的で抗TNF-α抗体が従来の治療に抵抗性の症例に対し、高い効果が報告されている。一方、副作用としてinfusion reaction、感染症と並んで腸管狭窄があり、狭窄例には禁忌とされている。抗TNF-α抗体の使用により腸管狭窄をきたす症例がある一方、狭窄の程度が変わらない症例、投与後に狭窄が改善する症例も経験する。狭窄に対する治療としては、外科的手術に加えて内視鏡的バルーン拡張術が行われるが、ダブルバルーン内視鏡の登場により、これまで内視鏡到達の困難であった小腸に対してもバルーン拡張術が可能となった。それにより、狭窄を伴ったクローン病に対する抗TNF-α抗体の適応についても拡大される可能性がある。今回我々は、抗TNF-α抗体の投与が可能な狭窄を明らかにする目的で、狭窄を伴った難治性クローン病に対しinflixmabが投与された症例について、病型、病変部位、罹病期間、重症度、治療歴、手術歴、潰瘍および狭窄形態、観察期間を検討した。狭窄が増悪した例では狭窄増悪までの期間、inflixmabの投与回数等を検討した。2003年5月から2006年3月まで当科にてinflixmab投与が行われたクローン病は17症例であり、そのうち狭窄を伴った難治性クローン病は4症例(男性3例、女性1例、年齢22~63歳)であった。これら4症例は、いずれも狭窄部に潰瘍を伴っていることを画像的に確認した。また、全症例において内視鏡的バルーン拡張術あるいは手術を前提とし、十分なインフォームドコンセントを行った上でInfliximab投与を行った。結果は、inflixmab投与後狭窄が進行したものが1例、狭窄に明らかな変化が見られなかったものが1例、狭窄が改善したものが1例、一旦改善しその後狭窄が進行したものが1例であり、それぞれについて検討を行ったので報告する。 |
索引用語 | クローン病, infliximab |