セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
87:ALT持続正常HCVキャリアーにおける肝組織所見の検討
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演者 |
戸原 恵二(福岡大学筑紫病院 消化器科) |
共同演者 |
野間 栄次郎(福岡大学筑紫病院 消化器科), 光安 智子(福岡大学筑紫病院 消化器科), 田辺 寛(福岡大学筑紫病院 病理部), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器科) |
抄録 |
ALT持続正常のHCVキャリアーに対して,IFN療法を施行すべきか否かは,意見が分かれるところであろう.そこで,ALT持続正常HCVキャリアーの肝組織所見を検討した.対象はIFN療法前に肝生検を施行した6例である.性別は男性1例,女性5例であった.年齢は38-66歳で,平均51歳であった.セロタイプは1が3例,2が3例であり,ウィルス量は200KIU/ml~5000KIU/ml以上で全例高ウィルスであった.ALTは,少なくとも12ヶ月以上3回以上,正常(30IU/L以下)であることが確認されていた.肝生検時のALTは17―24IU/lで,平均21であった.肝生検の所見としては,全例が慢性活動性肝炎の像を呈していた.活動性に関しては,全例が新犬山分類のA1であった.線維化に関しては,新犬山分類のF1が3例,F2が3例であった.ALT持続正常のHCVキャリアーにおいても,組織学的には慢性活動性肝炎の所見があり,活動性は軽度であるが,線維化はやや進行しているものも含まれていた.したがって,ALT持続正常のHCVキャリアーであっても,積極的に肝生検を施行すべきであり,特に線維化が進行している症例では,早期にIFN療法を導入すべきであると思われる. |
索引用語 |
正常ALT, HCVキャリアー |