セッション情報 一般演題

タイトル 100:

肝細胞癌に対するリザーバー動注療法の有用性の検討

演者 坂元 秀壮(宮崎医療センター病院 消化器肝臓病センター)
共同演者 岩満 章浩(宮崎医療センター病院 消化器肝臓病センター), 佐々木 文郷(宮崎医療センター病院 消化器肝臓病センター), 蓮池 悟(宮崎大学医学部付属病院第2内科), 永田 賢治(宮崎大学医学部付属病院第2内科), 宇都 浩文(宮崎大学医学部付属病院第2内科), 堀 剛(宮崎医療センター病院 消化器肝臓病センター), 林 克裕(宮崎大学医学部医学教育改革推進センター)
抄録 【はじめに】肝細胞癌に対しては、経皮的ラジオ波焼灼療法、系統的肝切除術など、近年その治療の進歩は著しい。当科では、肝切除の適応のない肝細胞癌に対して、アドリアマイシン、マイトマイシンCとlipiodolとのエマルジョンを動注するlipiodol動注療法、また、lipiodol動注後にゼラチンスポンジを注入し、腫瘍の栄養動脈を塞栓するlipiodol-TAE療法、リザーバーを留置してlow dose FP療法を主力レジメンとする肝動注療法などを行ってきている。今回、我々はセンター2004年10月より肝細胞癌に対して、 low dose FP療法を施行した39症例について治療効果を検討したので報告する。【症例】当科では2004年10月より2005年8月までに74症例にリザーバーを留置し、low dose FP療法を施行している。うち半年以上の経過が観察できた39症例を対象とした。方法:CDDP10mg/dayをDay1~5,Day7~12に30分かけて動注および5-FU250mg/dayをDay1~5,Day7~12に持続動注し、1クールとした。治療終了後、3~4週休薬し、上記療法を繰り返し施行していった。治療効果は、腫瘍マーカー(AFP/PIVKA-2),CTを各クール開始時に行い、効果を判定した。【結果】奏功率(P.R+C.R)は41%であった。最大腫瘍径で比較したところ、8cm以上のものは、それ以下の腫瘍径のものと比較して、治療効果が悪い傾向があった。また、治療効果にVPの有無は差がない傾向にあった。治療後8ヶ月での累積生存率は51.28%であった。治療経過中の大きな合併症としては、1例のみポート挿入部の感染を起こし、治療継続が不能となった。【結語】治療が奏功した症例は、最大腫瘍径が8cm未満のもの、肝予備能が良好(child-pugh A)なもので、Vpの有無は効果に差がない傾向であった。
索引用語 肝細胞癌, 動注療法