セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
55:ダブルバルーン小腸内視鏡検査(DBE)で病変を確認し得たHenoch-Schönlein紫斑病の一例
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演者 |
西俣 伸亮(福岡大学筑紫病院 消化器科) |
共同演者 |
関 剛彦(福岡大学筑紫病院 消化器科), 平井 郁仁(福岡大学筑紫病院 消化器科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器科), 大重 要人(福岡大学筑紫病院 病理部), 岩下 明徳(福岡大学筑紫病院 病理部), 眞武 弘明(またけ内科胃腸科クリニック) |
抄録 |
今回、ダブルバルーン小腸内視鏡(以下、DBE)で病変を確認し得たHenoch-Schönlein紫斑病の一例を経験したので報告する。症例は60才代の男性。2005年11月初旬より左側腹部痛、1日10回以上の下痢が出現し近医受診。 感染性腸炎の診断にて11月中旬(第1病日)より内服加療を開始したところ、症状改善せず血便も出現したため、他院受診。全大腸内視鏡検査を施行したが病変は認めなかった。しかし腹痛は改善せず、第14病日より両下肢の紫斑、両膝関節痛が出現した。第21病日同院にて経口小腸検査施行し、Henoch-Schönlein紫斑病を強く疑われたため、第22病日当科入院となる。入院時、左側腹部に圧痛を認め、両下腿に触知できる紅斑、点状紫斑が混在しており、両足関節に軽度の腫脹を認めた。入院時の臨床症状よりHenoch-Schönlein紫斑病と診断し、入院時の検査所見で腎障害も認めていたことから入院日よりPSL 30mg/日の内服開始。翌日より腹部症状は軽快した。第24病日に上部消化管内視鏡検査施行し十二指腸に発赤、びらんを認めた。第29病日にDBEを施行したところ回腸に発赤、粘膜浮腫、hemorrhagic blebと呼称される血豆様の所見、横走する潰瘍やびらんを認めた。今回、われわれが観察可能であった回腸には本疾患に特徴的な十二指腸病変とほぼ同様の所見であった。本疾患の内視鏡所見としては胃・十二指腸病変に対しての報告が主であり、小腸病変をDBEで観察し得た症例は現在のところ報告されていない。したがって、非常に貴重な症例と考え若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 |
ダブルバルーン小腸内視鏡, Henoch-Schönlein紫斑病 |