セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 33:内視鏡的粘膜下腫瘍核出術(Endoscopic scraping enucleation: ESE)にて切除し得た固有筋層由来の食道平滑筋腫の1例 |
演者 | 青山 祐二郎(福岡大学筑紫病院 消化器科) |
共同演者 | 高木 靖寛(福岡大学筑紫病院 消化器科), 宗 祐人(福岡大学筑紫病院 消化器科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器科), 池田 圭祐(福岡大学筑紫病院 病理部), 岩下 明徳(福岡大学筑紫病院 病理部), 二見 喜太郎(福岡大学筑紫病院 外科) |
抄録 | 症例は70歳の女性。2005年1月より嚥下時違和感、上腹部痛を訴え他院を受診し、内視鏡検査にて食道に粘膜下腫瘍を指摘された。その後も症状軽快せず、4月の内視鏡検査では腫瘍の増大傾向を指摘され、精査加療目的にて当院外科に紹介入院となった。入院時の食道X線検査では病変の占居部位は大動脈圧排部直上の胸部上部食道(Ut)で前壁に認められた。腫瘍径は23×22mm、立ち上がりなだらかな辺縁平滑な類円型の腫瘍で、bridging foldもみられ、筋原性などの粘膜下腫瘍と考えられた。側面像でも不整な変形は認めなかった。20MHz細径プローブで行った超音波内視鏡検査では、病変は粘膜上皮下にみられるやや低エコーの充実性腫瘤で、大きさ2.5cm、内部は均一で、壊死や出血はなく平滑筋腫と考えられた。また腫瘤は第6層由来に連続し、固有筋層の内輪筋由来であったため、ESEによる内視鏡的切除が可能と判断した。まず腫瘍の表層上皮を切開、その後粘膜下層の線維を剥離し、腫瘍が露出したところで、先端フードを用いて鈍的に切除した。所要時間は約30分で、特に縫縮等は加えずに終了した。また術後の重篤な合併症も認めなかった。切除標本では腫瘍径16×12mm、病理組織学的所見にも良性平滑筋腫であった。ESEは1998年に小山らが最初に開発した、固有筋層由来の腫瘍に対する内視鏡的切除方法である。今回、固有筋層内輪筋由来の食道平滑筋腫を内視鏡的に切除し得た1例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 食道平滑筋腫, 内視鏡的治療 |