セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 51:若年者に発症した進行小腸癌の1例 |
演者 | 王 順容(長崎大学 医学部 第二内科) |
共同演者 | 松島 加代子(長崎大学 医学部 第二内科), 赤澤 志穂(長崎大学 医学部 第二内科), 吉田 亮(長崎大学 医学部 第二内科), 赤澤 祐子(長崎大学 医学部 第二内科), 角川 淑子(長崎大学 医学部 第二内科), 陳 俊全(長崎大学 医学部 第二内科), 三嶋 亮介(長崎大学 医学部 第二内科), 池田 真帆(長崎大学 医学部 第二内科), 大場 一生(長崎大学 医学部 光学医療診療部), 大仁田 賢(長崎大学 医学部 第二内科), 竹島 史直(長崎大学 医学部 総合診療科), 大曲 勝久(長崎大学 医学部 第二内科), 水田 陽平(長崎大学 医学部 第二内科), 査 艶(長崎大学 医学部 第二病理), 河野 茂(長崎大学 医学部 第二内科) |
抄録 | 【症例】29歳男性。腹痛、食欲低下、全身倦怠感を主訴に近医を受診し上部・下部消化管内視鏡検査を施行されたが確定診断にいたらず1年半経過観察されていた。2005年10月に頚部、腋窩リンパ節の腫大を指摘され、リンパ節生検にてadenocarcinoma cellを認め、原発巣精査のために施行された腹部CTで空腸の壁肥厚を認め空腸癌が疑われた。当院入院時の小腸造影では十二指腸上行脚から空腸上部にかけて全周性の狭窄とその肛門側に中心陥凹を伴った隆起を認め、腫瘍マーカーはCA19-9 1580 U/mlと著明に上昇していた。ダブルバルーン小腸内視鏡を施行したところ、十二指腸上行脚は全周性に狭窄しており、空腸への挿入は不可能であった。十二指腸上行脚からの生検にて低分化腺癌と診断された。しかしこの段階で多発性肝転移、多発性肺転移、大動脈周囲リンパ節転移が認められ癌性腹膜炎・胸膜炎を合併していた。手術不能でありlow dose FP療法(CDDP 5mg/body/day+ 5FU 750mg/body/day)を施行したが効果が得られず確定診断2ヵ月後に永眠された。【考察】原発性小腸癌はまれな疾患であり、消化管悪性腫瘍の0.1~0.3%である。好発年齢は50~60歳代で、30歳未満の若年発症は報告例の5.0~5.7%と極めて稀である。また、若年発症例の場合高齢発症例と比較して発見時進行した癌が多い。今回若年者に発症した進行小腸癌の1例を経験し、確定診断のつかない消化器症状に対しては本症を疑い積極的に検査をすすめることが重要であると考えられた。 |
索引用語 | 小腸癌, 小腸内視鏡 |