セッション情報 一般演題

タイトル 16:

Endoscopic band ligation(EBL)が有用であった出血性胃angiodysplasiaの1例

演者 樋口 奈緒美(九州大学大学院 病態制御内科学)
共同演者 吉永 繁高(九州大学大学院 病態制御内科学), 水谷 孝弘(九州大学大学院 病態制御内科学), 金山 兼司(九州大学大学院 病態制御内科学), 隅田 頼信(九州大学大学院 病態制御内科学), 本田 邦臣(九州大学病院 光学医療診療部), 板場 壮一(九州大学病院 光学医療診療部), 秋穂 裕唯(九州大学大学院 病態制御内科学), 中村 和彦(九州大学大学院 病態制御内科学), 藤澤 和明(藤沢内科クリニック), 高柳 涼一(九州大学大学院 病態制御内科学)
抄録 【はじめに】胃angiodysplasiaはしばしば出血を繰り返すため貧血の原因となりうる病変である。治療法はこれまでに、アルゴンプラズマ凝固法、クリッピング止血術、ホットバイオプシー鉗子を用いた高周波電気焼灼術、エタノール局注法などの内視鏡的止血術が報告されている。今回我々は出血を認めた胃angiodysplasiaに対してEndoscopic band ligation (EBL)による治療が有効であった症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。【症例】65歳、男性。胃腺腫の経過観察のため近医で上部消化管内視鏡検査を施行されたところ、胃体下部小彎の胃angiodysplasiaより滲出性出血を認めた。平成17年7月14日、精査加療目的で当科を紹介され受診した。当科で施行した上部消化管内視鏡検査では胃体下部小彎に表面がやや隆起した境界明瞭な毛細血管拡張病変を認め、検査施行中にも滲出性出血を認めた。超音波内視鏡検査では第3層に低エコー域を認め、粘膜下層内の血管拡張が示唆された。同部位に対し、住友ベークライト社製EVLデバイスを用いて、EBLにて止血し得た。その後、再出血や穿孔等の合併症もなく経過は良好である。【結論】EBLは手技が簡便で安全性も高く、胃angiodysplasiaに対する止血法として有用であると考えられた。
索引用語 EBL, 胃angiodysplasia