セッション情報 一般演題

タイトル 153:

結腸憩室症に起因したS状結腸子宮瘻の2例

演者 福枝 幹雄(鹿児島市立病院 外科)
共同演者 濱田 信男(鹿児島市立病院 外科), 渋谷 寛(鹿児島市立病院 外科), 牧尾 善幸(鹿児島市立病院 外科), 中薗 俊博(鹿児島市立病院 外科), 豊平 修(鹿児島市立病院 外科), 末吉 和宜(鹿児島市立病院 病理), 松木田 純香(鹿児島市立病院 病理)
抄録 S状結腸憩室症に起因した結腸子宮瘻の2例を経験したので報告する。症例1は、69才女性で、便性帯下を主訴に来院した。S状結腸憩室炎と慢性関節リウマチ(ステロイド内服)の既往があった。初診時、膣内に異常所見はなく、外子宮口から糞臭のある帯下流出を認めた。注腸透視でS状結腸に多発する憩室が存在したが炎症所見、狭窄、瘻孔は認めなかった。CT、MRIで明らかな瘻孔は確認できなかったが子宮内にガス像を認め、S状結腸子宮瘻と診断し手術を施行した。症例2は、75歳、女性。便性帯下と不正出血を主訴に来院した。うつ病以外の既往歴はなかった。膣内にはびらんがあり、糞便が充満していた。注腸透視で多発するS状結腸憩室を認め、S状結腸から子宮へのバリウムの漏出を確認できた。S状結腸子宮瘻と診断し手術を施行した。 開腹すると、両症例とも子宮体部後壁にS状結腸が強く癒着していた。S状結腸の口側、肛側を切離後に子宮とともにen blockに切除した。病理学的所見では、両症例とも1個の憩室から子宮筋層を貫く瘻孔が形成されていた。慢性炎症が原因で形成されたと判断した。 結腸憩室症に起因する結腸膀胱瘻の報告は散見されるが、子宮へ瘻孔を形成したという報告は稀である。結腸子宮瘻の病因、診断、治療について若干の文献的考察を加え報告する。 
索引用語 大腸憩室症, 結腸子宮瘻