セッション情報 一般演題

タイトル 28:

内視鏡的止血術中に発生した食道破裂の1例

演者 原田 直彦(国立病院機構 福岡東医療センター 消化器科)
共同演者 淀江 賢太郎(国立病院機構 福岡東医療センター 消化器科), 宮城 譲(国立病院機構 福岡東医療センター 消化器科), 岩尾 真孝(国立病院機構 福岡東医療センター 消化器科), 大越 恵一郎(国立病院機構 福岡東医療センター 消化器科), 荒木 譲(国立病院機構 福岡東医療センター 消化器科), 前田 貴司(国立病院機構 福岡東医療センター 外科), 中村 和彦(九州大学大学院 病態制御内科学)
抄録 内視鏡的止血術中に発生した食道破裂の1例を経験したので報告する。症例:83歳、女性。主訴:吐血。既往歴:平成8年;脳出血、平成15年;経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)、平成16年;十二指腸潰瘍、類天疱瘡。現病歴:脳出血後遺症の診断にて近医入院中。平成18年1月、吐血出現したため、同日、救急車にて当科紹介入院。現症:脈拍98/分、整。血圧78/40mmHg。頭頚部;眼瞼結膜;軽度貧血。胸部:心音;収縮期雑音、呼吸音;清。腹部;PEG挿入創、他に特記事項なし。検査成績:白血球数11500/μl, Hb9.5g/dl, 血小板数19.4万/μl。総蛋白5.6g/dl、BUN49.1mg/dl, CRP 0.64mg/dl。入院時胸部X線写真:特記所見なし。経過:入院後、緊急内視鏡検査施行。噴門直下に露出血管を認め湧出性出血を認めた。内視鏡的止血術を施行中に咳・ムセ出現、続いて呼吸停止を伴ったが、数秒後に回復したためクリップにて内視鏡的止血施行し終了。検査後より背部痛出現。左胸部の呼吸音低下、打診にて鼓音を認めた。胸部X線写真にて左気胸を認めたため、脱気目的にてトロッカー挿入したところ、黒色液の流出。食道透視をしたところ、造影剤の左胸腔内流出を認めたため食道破裂と診断。左開胸すると胸腔内に赤褐色液多量貯留、下部食道に2-3cm長の破裂創を認め閉鎖術施行。内視鏡的止血術中に発生した稀な食道破裂を経験したので文献的考察を加え報告する。
索引用語 食道破裂, 内視鏡的止血術