セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
115:大腸内視鏡検査中に膿流出を見た大腸憩室炎の1例
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演者 |
原田 直彦(国立病院機構 福岡東医療センター 消化器科) |
共同演者 |
淀江 賢太郎(国立病院機構 福岡東医療センター 消化器科), 大越 恵一郎(国立病院機構 福岡東医療センター 消化器科), 荒木 譲(国立病院機構 福岡東医療センター 消化器科), 中村 和彦(九州大学大学院 病態制御内科学) |
抄録 |
大腸内視鏡検査中に膿流出をみた大腸憩室炎の1例を経験したので報告する。症例:52歳、男性。主訴:左下腹部痛。既往歴:平成2年;アルコール性肝障害。生活歴:飲酒歴;焼酎2合/日、 35年間。喫煙歴;25本/日、35年間。現病歴:平成18年2月末、左下腹部痛出現。第2病日に症状増強。第3病日、疼痛持続するため近医受診。当科紹介され、精査治療目的にて当科入院。現症:体温37.9 ℃、脈拍 114/分、整。血圧124/91mmHg。頭頚部;眼瞼結膜;貧血なし、眼球結膜;黄染なし。頚部リンパ節触知せず。胸部;異常所見なし。腹部;左下腹部に圧痛あり、デファンスを伴う。腫瘤触知せず。検査成績: WBC 12100/μl、赤血球4.36万/μl、Hb14.9 g/dl、Ht 44.7%、血小板21.7万/μl、TP 7.2g/dl、ALP329IU/l、AST 38IU/l、ALT35IU/l、γ-GTP250 IU/l、LDH183U/ml、Amy120 U/l、CRP 9.88mg/dl, 腹部超音波検査:下行結腸に壁肥厚、憩室と思われる突出像を認めた。腹部CT検査;下行結腸下部に腸管壁肥厚、周囲脂肪織濃度上昇を認めた。大腸X線検査:盲腸・上行結腸・下行結腸に憩室多発。下行結腸粘膜が一部浮腫状に腫脹し同部に圧痛を認めた。経過:上記所見より大腸憩室炎と診断し、入院時より絶食、輸液、ピペラシリン投与施行。徐々に症状軽快。白血球数、CRP低下したため11日後、退院。退院後も軽度の左下腹部痛持続。退院14日後、外来で大腸内視鏡検査施行。下行結腸の一部粘膜は発赤し浮腫状に腫脹、その中心の憩室開口部より白色調液流出。検査後より左下腹部痛消失。大腸内視鏡検査にて膿流出後に症状改善を見た大腸憩室炎の1例を経験したので文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
大腸憩室炎, 大腸内視鏡 |