セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告4

タイトル 消P-452:

大腸全摘後にSweet病を発症した潰瘍性大腸炎の1例

演者 三好 正嗣(香川県立中央病院・消化器内科)
共同演者 稲葉 知己(香川県立中央病院・消化器内科), 高嶋 志保(香川県立中央病院・消化器内科), 泉川 孝一(香川県立中央病院・消化器内科), 石川 茂直(香川県立中央病院・消化器内科), 田岡 伸朗(香川県立中央病院・内科), 馬場 伸介(香川県立中央病院・肝臓内科), 和唐 正樹(香川県立中央病院・消化器内科), 妹尾 知典(香川県立中央病院・肝臓内科), 永野 拓也(香川県立中央病院・肝臓内科), 高口 浩一(香川県立中央病院・肝臓内科), 河合 公三(香川県立中央病院・内科), 渡邊 精四郎(香川県立中央病院・内科)
抄録 【緒言】Sweet病は、発熱、多核好中球を主体とした白血球増多、隆起性有痛性皮疹、真皮への好中球浸潤を特徴とする皮膚科領域の独立疾患であるが、潰瘍性大腸炎・クローン病等の消化器疾患に合併することが知られている。今回、われわれは潰瘍性大腸炎に対して大腸全摘を行い、その後に発症したSweet病の1例を経験したので報告する。【症例】46歳女性。1993年発症の全結腸型潰瘍性大腸炎で、1997年大腸全摘出術(IAA)を行った。2002年より回腸嚢炎出現し、難治性であった。2008年10月より腸炎関連関節炎出現しステロイド内服治療を行っていたが、2010年9月中旬より発熱出現し精査入院となった。画像検索や培養検査を行ったが明らかな発熱の原因は不明であった。回腸嚢炎は持続していたが悪化傾向は認めなかった。抗菌剤投与を行い、いったんは解熱したがすぐに発熱再燃ありその後抗菌療法は無効であった。第26病日より前腕に紅斑・膿疱出現し顔面や下腿にも広がった。皮膚生検では真皮浅層に好中球を主体とする炎症細胞を認め、臨床経過とあわせて潰瘍性大腸炎に合併したSweet病と診断しステロイドパルス療法を行い、パルス後PSL40mgより漸減した。すみやかに解熱が得られ全身状態は改善した。しかしながら回腸嚢炎は持続し直腸膣瘻も出現していたため、人工肛門造設を行った。その後ステロイドは漸減しているがSweet病は再燃しておらず、回腸嚢炎も軽快傾向である。【考察】炎症性腸疾患における皮膚病変の合併は高率であるが、Sweet病を合併した報告は少ない。Sweet病の潰瘍性大腸炎との合併例は、Sweetが1964年に始めて報告した8例中1例に含まれており、発症には自己免疫の関与が疑われているが不明な点も多い。本症例は大腸全摘出後も回腸嚢炎や関節症状が持続しており、なんらかの自己免疫反応が持続していたことが推測される。
索引用語 Sweet病, 潰瘍性大腸炎