セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 158:画像所見から診断し保存的に改善が得られた腸間膜脂肪識炎の1例 |
演者 | 岸本 一人(琉球大学 光学医療診療部) |
共同演者 | 屋比久 貴子(琉球大学 第一内科), 井濱 康(琉球大学 第一内科), 青山 肇(琉球大学 第一内科), 宮城 聡(琉球大学 第一内科), 前城 達次(琉球大学 第一内科), 豊見山 良作(琉球大学 第一内科), 内間 庸文(琉球大学 第一内科), 平田 哲生(琉球大学 第一内科), 外間 昭(琉球大学 第一内科), 藤田 次郎(琉球大学 第一内科), 知念 隆之(琉球大学 光学医療診療部), 仲本 学(琉球大学 光学医療診療部), 金城 渚(琉球大学 光学医療診療部), 金城 福則(琉球大学 光学医療診療部) |
抄録 | 【はじめに】 腸間膜脂肪識炎は比較的稀な疾患であり,診断に難渋し試験開腹が必要となる例も多い.今回我々は,画像所見から診断し保存的に改善が得られた腸間膜脂肪識炎の1例を経験したので報告する. 【症例】 36歳女性.1型糖尿病,疼痛性障害にてH17年3月より当院第二内科および精神科に通院中であった.H17年8月頃より10~30回/日の水様下痢が出現.全身倦怠感が増強し身動きが取れなくなり,9/22当院第二内科へ入院となった.入院後は絶食,中心静脈栄養にて下痢の改善が認められていたが,食事再開後より再度下痢が出現したため,精査目的に11/21当科へ転科となった.入院時身体所見では下腹部正中に手術瘢痕および軽度の圧痛・反跳痛を認めた.入院時検査成績ではWBC 5700mm3,CRP <0.1mg/dlと炎症反応を認めず,TP 5.8g/dl,ALB 3.5g/dlと軽度の低蛋白血症を認めた.便の虫卵およびCD toxinは陰性,便培養は常在菌のみであった.下部消化管内視鏡ではS状結腸を中心に全周性に半球状の粘膜の隆起と軽度の発赤,管腔の狭小化を認めたが,病理組織では非特異的炎症像のみであった.注腸造影ではS状結腸を中心に,鋸歯状変化と狭小化を認めた.EUSでは腸管壁の肥厚と腸管外側脂肪織のエコー輝度の上昇を認め,腹部CTではS状結腸の壁肥厚と周囲脂肪組織の濃度上昇を認めた.以上から腸間膜脂肪識炎と診断.絶食,中心静脈栄養のみで下痢および内視鏡所見の改善を認め,食事再開後も下痢の増悪認めず,12/13退院となった. 【結語】 腸間膜脂肪識炎は画像所見から診断は比較的容易で保存的治療で改善する例も多いことから,その特徴的な画像所見を念頭におく必要があると思われた. |
索引用語 | 腸間膜脂肪識炎, 下痢 |