セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 39:十二指腸腺腫の5例 |
演者 | 三嶋 亮介(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科) |
共同演者 | 松島 加代子(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 赤澤 志穂(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 吉田 亮(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 王 順容(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 赤澤 祐子(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 角川 淑子(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 陳 俊全(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 池田 真帆(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 大場 一生(長崎大学医学部・歯学部附属病院 光学医療診療部), 大仁田 賢(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 大曲 勝久(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 竹島 史直(長崎大学医学部・歯学部附属病院 総合診療科), 水田 陽平(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 河野 茂(長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科), 林 徳真吉(長崎大学医学部・歯学部附属病院 病理部), 樋上 賀一(長崎大学医学部病理学第一) |
抄録 | [目的] 十二指腸腺腫は比較的稀な疾患ではあるが、生検で腺腫の診断であっても腺腫内癌である場合が少なくなく内視鏡診断において腺腫内癌との鑑別が重要となってくる。今回我々は、近年経験した5例の十二指腸腺腫について発見の契機、腫瘍の部位、形態、癌との鑑別、治療、経過について検討した。[症例1] 71歳、男性、胃潰瘍のfollow upの上部消化管内視鏡検査(以下GIS)にて十二指腸下降脚に径8mm、白色調のIIa型病変を指摘された。生検にて一部に異型性の強い部分を認めた。内視鏡的粘膜切除(以下EMR)を施行し最終診断はtubular adenomaであった。[症例2] 63歳、男性、上腹部不快感精査のGISにて十二指腸下降脚に径14mmのIIc+IIa型病変を指摘された。EMRを施行し診断はtubular adenomaであった。[症例3] 70歳、男性、出血性胃潰瘍のfollow up目的のGISにて十二指腸下降脚に径12mm、白色調のIIa型隆起性病変を指摘された。EMRを施行し診断はtubular adenomaであった。[症例4] 52歳、男性、検診で行ったGISにて十二指腸下降脚にIIa型病変を指摘された。拡大内視鏡では病変の中央部は細かな網目模様を呈していた。EMRを施行し診断はTubular adenoma with moderate atypia & Burunner’s gland hyperplasiaであった。[症例 5] 37歳、男性、胆石症の術前screening目的で行ったGISにて上十二指腸曲に径10mm大のIIa+IIc病変を指摘された。拡大内視鏡では病変の中央部は細かな網目模様を呈していた。EMRを施行しTubular adenomaの診断であった。[結果] 今回経験した十二指腸腺腫の症例5例中4例が十二指腸下降脚に病変を認め、5例中3例がIIa型の形態を呈していた。発見契機に関しては5例中4例は特に症状はなく偶然にGISにて発見されていた。癌との鑑別に関しては形態、大きさ、異型性の有無が問題となった。拡大内視鏡を施行した2例はいずれも病変中央部に細かな網目模様を認めた。治療は全例EMRを施行し5例中4例は完全切除し得た。現在いずれの症例も再発は認めていない。 [考察]十二指腸腺腫の診断に際しては腺腫内癌との鑑別のためEMRなどによる完全生検が必要と考えられた。しかしながら内視鏡治療困難例も少なくないため今後更なる検討により拡大内視鏡など他の診断方法による有用な鑑別法が期待される。 |
索引用語 | 十二指腸腺腫, 内視鏡的粘膜切除 |