セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 92:肝予備能の回復に伴い耐糖能異常が改善したB型慢性肝炎急性増悪の1例 |
演者 | 川下 浩(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科) |
共同演者 | 柴田 英貴(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 本吉 康英(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 楠本 浩一郎(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 藤本 真澄(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 福田 麻里子(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 宮明 寿光(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 後藤 貴史(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 田浦 直太(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 西村 大介(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 市川 辰樹(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 濱崎 圭輔(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 中尾 一彦(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科), 江口 勝美(長崎大学 医学部・歯学部附属病院 第一内科) |
抄録 | 症例は56歳の女性。主訴は全身倦怠感。家族歴は姉がB型肝硬変。既往歴は特記事項無し。現病歴は1981年に献血の際にHBsAg陽性を指摘された。以後、近医にて半年毎に血液検査などを受けており、AST:26~31IU/ml ALT:41~42IU/ml HBeAg:(-) HBeAb:(+)であった。血糖値の異常を指摘されたことは無かった。2005年4月初めより全身倦怠感が出現した。同月8日に近医を受診し、TB:3.8mg/dl DB:2.6mg/dl AST:2080IU/l ALT:2170IU/l PT活性:64%にて同日入院となった。また、HBV-DNA:8.4LGE/mlであった。同月11日、TB:5.9mg/dl DB:4.5mg/dl AST:2880IU/l ALT:2970IU/l PT活性:38%と増悪し、ラミブジン:100mg/day SNMC:100ml/dayが開始された。翌12日当院に転院となった。入院時現症は、貧血(-)、黄疸(+)、心肺に異常なし、肝脾は触知せず、腹水(-)、浮腫(-)、意識は清明だが羽ばたき振戦(+)。入院時検査所見はTB:8.5mg/dl DB:5.6mg/dl AST:1400IU/l ALT:2589IU/l PT:35% Alb:3.3g/dl FBS:117mg/dl NH3:153μg/dl HGF:1.23ng/ml BTR:1.37 IRI:20.1μU/ml HOMA-R:5.81 尿中CPR:159.1μg/dayであった。入院後もラミブジンとSNMCの投与を継続した。一時、TB:24.6mg/dlまで上昇したが、TB:1.9mg/dl PT:63% Alb:3.3g/dl 腹水(-) 脳症(-)と改善した。また、耐糖能はFBS:92mg/dl IRI:9.6μU/ml HOMA-R:2.18と改善し、7月12日に退院となった。その後、9月27日にはTB:1.1mg/dl AST:32IU/l ALT:21IU/l PT:72% Alb:3.8g/dl HBV-DNA<3.7LGE/mlとなり、耐糖能はFBS:69mg/dl IRI:6.2μU/ml HOMA-R:1.06と著明に改善した。肝炎の重症化により耐糖能異常が顕性化し、肝予備能の改善に伴い耐糖能異常が著明に改善したB型慢性肝炎急性増悪の1例を経験した。 |
索引用語 | 重症肝炎, 耐糖能異常 |