セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 18:胃形質細胞腫の一例 |
演者 | 大谷 響(佐賀大学 医学部 内科) |
共同演者 | 坂田 資尚(佐賀大学 医学部 内科), 杉本 望(佐賀大学 医学部 内科), 山口 加奈子(佐賀大学 医学部 内科), 雨森 貞浩(佐賀大学 医学部 内科), 藤瀬 剛弘(佐賀大学 医学部 内科), 渡邉 顕一郎(佐賀大学 医学部 内科), 下田 良(佐賀大学 医学部 内科), 綱田 誠司(佐賀大学医学部 光学医療診療部), 坂田 祐之(佐賀大学 医学部 内科), 水口 昌伸(佐賀大学医学部 放射線科), 岩切 龍一(佐賀大学医学部 光学医療診療部), 藤本 一眞(佐賀大学 医学部 内科) |
抄録 | 症例は69歳、男性。平成14年度検診の胃透視検査にて異常を指摘され、近医で上部消化管内視鏡検査を受けた。前庭部を中心に発赤を認め、慢性胃炎の診断にて経過観察されていた。その後毎年検査を受けていたが、平成17年3月の上部消化管内視鏡検査で発赤が増強していたため、同部より生検を施行された。病理組織検査の結果、胃横紋筋肉腫が疑われ、同年4月精査・加療目的に当院紹介となった。胃透視上、胃角部後壁から前底部にかけて胃小区模様の乱れを軽度認めるのみで、腫瘍と認識できる病変は認めなかった。当院内視鏡では、背景粘膜の萎縮性変化強く、前庭部後壁を最強とし、体下部前壁、胃角部後壁に発赤した粘膜面が拡がっていた。内視鏡上も範囲の同定は困難であった。その他の全身検索では、腹部造影CTにて胃小彎近傍のリンパ節腫大を認めるのみであった。発赤部よりの生検材料を用い病理組織学的な検索を進めた所、増殖している細胞は形質細胞で、免疫グロブリンに対する免疫染色の結果、monoclonalな増殖であることが示唆された、胃形質細胞腫と診断した。本症例はピロリ菌感染を認めており、除菌療法にて腫瘍が消失したとの報告があり、除菌療法を施行。以降の内視鏡では発赤粘膜は改善し、生検にても腫瘍細胞は認められない。現在も慎重に経過観察中である。髄外性形質細胞腫は形質細胞腫全体の約4%と少なく、胃原発であるものは稀である。本症例に若干の文献的考察を加え、報告する。 |
索引用語 | 形質細胞腫, ピロリ菌 |