セッション情報 一般演題

タイトル 161:

若年にてNASHより肝硬変に進展した一例

演者 千住 猛士(飯塚病院 肝臓内科)
共同演者 田中 正剛(飯塚病院 肝臓内科), 山下 尚樹(飯塚病院 肝臓内科), 本村 健太(飯塚病院 肝臓内科), 小柳 年正(飯塚病院 肝臓内科), 坂本 茂(飯塚病院 肝臓内科)
抄録 症例は31歳女性。6歳時に頭蓋咽頭腫にて開頭術を施行されている。17歳時に肝機能障害を指摘され当科紹介受診。GOT 188 U/L、GPT 233 U/L、TC 229 mg/dL、TG 383 mg/dLと上昇を認めた。飲酒歴はなく、HBs抗原、HCV抗体はいずれも陰性であり、抗核抗体 40倍と弱陽性であった。この時に肝生検を施行され、線維化を伴う脂肪肝と診断された。31歳時に胆嚢結石による胆嚢炎を発症した。採血にて肝胆道系酵素は正常であったが、血小板数 13.0万 /μLと軽度低下を認めた。またこの際施行されたCTにて肝左葉の腫大、脾腫を認め、肝硬変が疑われた。胆嚢結石に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した際に肝生検も施行した。組織所見では、脂肪化はごく軽度であったが、線維性に門脈域が拡大し架橋線維化が目立っており肝硬変と診断した。本症例はNASHの原因は不明であるが若年で短期間に肝硬変に進展しており興味深い症例と考えられ、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 NASH, 肝硬変