セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告5

タイトル 消P-454:

サラゾピリン併用がタクロリムスのトラフ値を低下させる可能性を示唆した2例

演者 長島 藍子(済生会新潟第二病院・消化器内科)
共同演者 本間 照(済生会新潟第二病院・消化器内科), 関 慶一(済生会新潟第二病院・消化器内科), 窪田 智之(済生会新潟第二病院・消化器内科), 広瀬 奏恵(済生会新潟第二病院・消化器内科), 阿部 寛幸(済生会新潟第二病院・消化器内科), 石川 達(済生会新潟第二病院・消化器内科), 吉田 俊明(済生会新潟第二病院・消化器内科), 須田 陽子(済生会新潟第二病院・消化器内科), 上村 朝(済生会新潟第二病院・消化器内科)
抄録 難治性潰瘍大腸炎に対する新規治療薬としてタクロリムス(TAC)の有効性が報告されている。この薬剤はトラフ値をモニタリングし、有効血中濃度を維持することが重要であるが、有効治療域が狭く、食事や他の薬剤による影響が大きいため注意が必要である。サラゾスルファピリジン(SASP)がTACの血中濃度測定値を低下させる可能性を示唆した2症例を報告し、当施設でのアミノサリチル酸製剤とTACの血中濃度との関係について提示する。【症例1】40歳代男性、発症後25年経過、全大腸炎型。4年前から重症再燃を繰り返す。PSL20mg、5ASA4g、TAC4mgで寛解導入した後、PSLを2.5mg/日まで漸減したところ、血便が少量出現したため、5ASAをSASP4gへ変更した。TACは4mg/日を継続していたが、それまで16ng/ml前後だったトラフ値が2.7~4.1ng/mlへ低下した。【症例2】20歳代男性、発症後12年経過、全大腸炎型。SASPで寛解維持していた。6年前から重症再燃を繰り返すようになり、4年前からLCAPも併用したがPSLを15mg以下へ減量できなくなった。TACを併用したがトラフ値が上がらず、12mg/日を空腹時投与しても3~5ng/mlの事が多かった。PSL25mgへ増量し症状軽快したため、SASP4gを5ASA3.6gに変更したところ、トラフ値が5.7~6.4ng/mlと上昇傾向が見られた。【他症例のまとめ】TAC4mg/日で治療開始した症例は11例あった。5ASA併用は9例で、そのうちトラフ値が4日目までに5ng/mlを超えた症例が6例、3ng/ml未満が1例だった。SASP併用では2例とも2日目トラフ値が2.9、2.5ng/mlと低く、3日目にTACを増量されていた。
索引用語 タクロリムス, サラゾスルファピリジン