セッション情報 シンポジウム1

タイトル S1-002:

当院の胃癌に対するESD術成績の検討

演者 西山 仁(国立病院機構嬉野医療センター)
共同演者 玻座真 博明(国立病院機構嬉野医療センター), 塩澤 純一(国立病院機構嬉野医療センター), 鶴田 英夫(国立病院機構嬉野医療センター), 古賀 満明(国立病院機構嬉野医療センター), 岡本 健太(国立病院機構長崎医療センター), 町田 治久(国立病院機構長崎医療センター), 福田 英一郎(国立病院機構長崎医療センター), 池田 幸紀(佐世保市立総合病院), 小田 英俊(佐世保市立総合病院), 大場 一生(長崎大学第二内科), 大仁田 賢(長崎大学第二内科), 宿輪 三郎(長崎大学第二内科), 水田 陽平(長崎大学第二内科)
抄録 【緒言】当院では2003年4月からESDを導入し消化管上皮性腫瘍に対し積極的に施行している。2006年3月までに胃106病変、十二指腸1病変、大腸29病変の切除を経験した。当院での胃癌ESD適応基準はガイドライン適応病変に加え、適応拡大病変として1.Ul(-)の分化型粘膜内癌で腫瘍径2cm以上、2.Ul(+)の分化型粘膜内癌で腫瘍径3cm以下、3.分化型sm1癌で腫瘍径3cm以下としており、術前診断で未分化癌症例は基本的に適応外とし、希望があれば施行している。今回我々は適応内病変、拡大病変、適応外病変についてESD術成績や術後成績を検討し特に拡大病変、適応外病変について報告する。【対象】2003年4月から2006年3月までに施行した胃癌55病変(適応内31病変、適応拡大病変17病変、完全適応外病変7病変)【方法】各病変のESD術成績(切除率、施行時間、合併症)、予後を比較検討した。【結果】適応内病変の一括完全切除率は96.8%(30/31)、平均施行時間は約58分、合併症は穿孔2例(保存的に軽快)、肺炎1例であった。他病死1例を除き現在再発の症例はない。適応拡大病変の一括完全切除率は94.1%(16/17)、平均施行時間は128分、合併症は術後出血2例(輸血なし)、穿孔2例(保存的に軽快)であった。他病死1例を除き現在まで再発はない。完全適応外病変は7例であり、術前に明らかな適応外と診断したが諸事情にてESD施行した症例は4例であった(内1例は切除不能で中止した)。切除完遂した6症例中側方断端陽性は0例、垂直断端陽性2例、脈管浸潤は全例に認めた。側方深部断端とも陰性だがsm2浸潤があったものは4例であった。完全適応外病変については基本的に外科的切除を勧め3例は施行しているが、7例中3例は経過観察、1例は他病死していた。【結論】ESDの適応拡大は技術的には問題ないと思われる。予後については当院での再発症例はなく適応拡大の基準は妥当だと考えられた。しかし症例が少なくまた観察期間も短いため言及には至らないと思われ、全国的な集計が待たれる。
索引用語 ESD, 治療成績