セッション情報 一般演題

タイトル 8:

Paclitaxel/S-1併用化学療法が著効した高度進行胃癌症例

演者 久保 洋(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科)
共同演者 田中 雅之(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 佐藤 清治(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 北島 吉彦(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 中房 祐司(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科), 宮崎 耕治(佐賀大学 医学部 一般・消化器外科)
抄録 腹水を伴う、高度進行胃癌は一般的に有効な治療法がなく、QOLも悪く、今まではMSTは6ヶ月前後といわれていた。First line chemotherapyでよく使用されるS-1や2nd line以降に使用されるPaclitaxelはともに単剤でも良好な成績が報告され、今まで奏功率が上がらなかった低分化癌にも有用であるといわれている。また、Taxane系薬剤はFU系薬剤と交叉耐性を持たない特徴があるため、Paclitaxel/TS-1の2剤併用療法は高度進行胃癌に対し簡便でなおかつ効果が期待できる治療法となる事が予測される。我々は2003年10月から2005年8月までの間に当院で治療開始した前治療歴のない高度進行胃癌9例を対象としてPaclitaxel 120mg/m2(day1,15)、S-1 80mg/m2(day1-14)、4週を1コースとし投与を行い、以下のような結果を報告してきた。術式;胃空腸バイパス術4例、姑息的胃切除3例、手術無2例、組織型;sig4例、por4例、tub21例、腹水;有3例、無6例、平均投与期間は3.9コースであった。Grade3以上の有害事象は発熱と好中球減少を3例に認めたのみであった原発巣ではCR 0例、PR3例、SD3例、PD3例、奏功率は33%(3/9)、リンパ節に対してはCR 0例、PR2例、SD4例、PD3例、奏功率は22%(2/9)、肝転移に対してはCR 0例、PR1例、SD0例、PD3例、奏功率は25%(1/4)、腹水に対してはCR 1例、PR2例、SD0例、PD0例、奏功率は100%(3/3)と、特に腹水を持つ症例に関しては3例中3例に腹水の消失を認め、著効していた。Paclitaxel/S-1併用療法の有害事象は許容範囲内であり、特に腹水を持つ症例においては非常に有効である事が示された。今回は、症例追加および観察期間の延長を行い、特に著効症例を中心に症例呈示し文献的考察を加え報告する
索引用語 胃癌, 抗癌剤