セッション情報 一般演題

タイトル 19:

いわゆるupside down stomachと考えられた1例

演者 中村 典資(福岡県済生会福岡総合病院 内科)
共同演者 落合 利彰(福岡県済生会福岡総合病院 内科), 吉村 大輔(福岡県済生会福岡総合病院 内科), 荻野 治栄(福岡県済生会福岡総合病院 内科), 茶圓 智人(福岡県済生会福岡総合病院 内科), 壁村 哲平(福岡県済生会福岡総合病院 内科), 太田 光彦(同外科), 松浦 弘(同外科), 中村 和彦(九州大学大学院病態制御内科)
抄録 症例は75歳、男性。身長158cm,体重47kg。飲酒,喫煙歴あり。既往歴:40歳 胆石症にて開腹下に胆嚢摘出、40歳頃 糖尿病,高血圧、50歳頃 不整脈、74歳 III度房室ブロックにてペースメーカー装着。病歴,経過:2000年頃、腰背部痛にて近医入院歴あり、以後腰背部痛持続していた。2005年10月8日、腰背部痛悪化,嘔気出現し前医入院。食道ヘルニア(縦隔内胃)の診断のもと、絶食管理で症状改善し13日退院。11月6日、嘔気,嘔吐,冷汗あり同院再来。CTにて縦隔内胃拡張,胃内容物多量貯留あり、 胃管挿入にて減圧、絶食管理とし症状改善し、17日退院したが、同日すぐに症状再発し、20日同院再々入院。入院後も同様の経過を繰り返すため、12月22日当院紹介受診。発作前に必ず過食行動あり、食事指導を行ったが効果なく、2006年1月10日精査加療目的にて当科入院となった。入院後の腹部CT検査、上部消化管X線検査にて胃前庭部が縦隔内に脱出する、いわゆるUpside down stomachと診断した。胃破裂も危惧されたため、内視鏡的整復は行わず、1月26日に横隔膜縫縮術を施行、縦隔内に脱出した前庭部を腹腔内に整復した。術後に腰背部痛の軽減を認めた。 高度に胃が脱出した食道裂孔ヘルニアはUpside down stomachと呼ばれ、一般には胃軸念症を伴うとされている。本邦での報告は極めて稀であり、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 upside down stomach, 胃軸念症