セッション情報 シンポジウム3

タイトル S3-003:

健診者におけるNAFLDの検討並びに食事・運動療法の効果―医師・看護師・栄養士・理学療法士・薬剤師のチーム医療による治療効果―

演者 森田 恭代(清和会 長田病院 消化器科)
共同演者  長山     幸路(清和会 長田病院 消化器科), 相野 一(清和会 長田病院 消化器科), 立石 行生(清和会 長田病院 消化器科), 長田 英輔(清和会 長田病院 消化器科), 佐々木 望(久留米大学 内科学講座消化器内科部門), 神代 龍吉(久留米大学 内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学 先端癌治療研究センター), 上野 隆登(久留米大学 内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学 先端癌治療研究センター), 佐田 通夫(久留米大学 内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学 先端癌治療研究センター)
抄録 【目的】我が国でも食生活の欧米化に伴い 生活習慣病が増加しており、肝臓領域では非アルコー性脂肪性肝疾患(NAFLD)が注目されている。また、生活習慣病の指導に対して診療報酬の設定がなされている。そこで私共は健診者におけるNAFLDを中心に肝障害の原因検索とNAFLDに対する医師・看護師・栄養士・理学療法士・薬剤師のチーム医療による治療効果を検討した。【方法】私共は男性393名、女性610名の健診者における肝障害とそれに合併する肥満・高脂血症・糖尿病の頻度を検討した。次にNAFLDと診断された患者に医師・看護師・栄養士・理学療法士・薬剤師のチーム医療で食事・運動療法をおこなった。治療開始前と4週毎に体力テストおよび、運動指導、食事日記の記載と栄養指導とBMI, 肝機能、脂質、血糖値を検査し、6ヵ月後に内臓脂肪面積を測定した。【結果】肝障害を有するのは253例43.6%であり、非B非Cで飲酒歴のない肝機能異常者が19%、NAFLDは17%に認められ、男性では30代から、女性では50代から増加した。肝生検結果から健診受診者の7%弱にNASH の存在が類推できた。NASHと診断された例は高脂血症、肥満、糖尿病(IGT含む)合併例が多く、特に糖尿病合併頻度が高かった。医師の指導のもとで、その患者の体力測定・体力に応じた運動メニュー、嗜好を考え合わせた食事指導を行った症例では全例、BMI、臨床・血液生化学所見、内臓脂肪面積の改善が得られた。【結論】成人健診者の肝機能異常の原因疾患ではNAFLDが最も多く、肥満、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病の合併頻度が高かった。またNAFLDに対するチーム医療による食事・運動療法は効果的であり、将来性が期待できる。
索引用語 NAFLD, 生活習慣病