セッション情報 一般演題

タイトル 109:

腸重積を契機に発見された、上行結腸固有筋層内に発生した脂肪腫の1例

演者 木村 光秀(麻生飯塚病院 消化器内科)
共同演者 赤星 和也(麻生飯塚病院 消化器内科), 村山 通秋(麻生飯塚病院 消化器内科), 遠藤 伸吾(麻生飯塚病院 消化器内科), 村田 篤彦(麻生飯塚病院 消化器内科), 大内 二郎(麻生飯塚病院 消化器内科), 松本 真裕(麻生飯塚病院 消化器内科), 久保川 賢(麻生飯塚病院 消化器内科), 本村 廉明(麻生飯塚病院 消化器内科), 大屋 正文(麻生飯塚病院 病理部), 中村 和彦(九州大学大学院 病態制御内科学)
抄録 症例は57才、女性。主訴は食後の腹痛。既往歴に気管支喘息がある。平成17年6月頃より、食後3、4時間で腹痛を自覚するようになり、同年11月2日に当科を受診。腹部に圧痛や腫瘤触知などの所見は認めなかった。同日の腹部超音波検査にて肝弯曲付近に38mm×35mmの高エコーの腫瘤を認めた。腹部CT、MRでは、上行結腸に5cm大の脂肪と考えられる腫瘤を認めた。逆行性大腸造影検査にて、横行結腸に蟹の爪様陰影を認め、バリウム、空気の注入により腫瘤は上行結腸へ移動、重積が解除された。腫瘤はX線上7cm×5cmの表面平滑な腫瘤だった。大腸内視鏡検査では、正常粘膜に覆われた表面平滑な山田III型様の立ち上がりを有する隆起で、起始部に潰瘍を認めた。クッションサインは陰性であった。超音波内視鏡検査は、漿膜下を主座とする高エコーの腫瘤を認めた。漿膜下の脂肪腫と診断し、外科的切除を行った。術後病理組織所見は、成熟した脂肪細胞の集簇と介在する少数の血管結合織からなる、固有筋層内の腫瘤であった。結腸の固有筋層内の脂肪腫が腸管内腔へ突出し、腸重積を起こすことはまれであり、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 脂肪腫, 腸重積