セッション情報 | シンポジウム1 |
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タイトル | S1-004:当院における胃癌ガイドライン適応外病変に対するESDの治療成績 |
演者 | 宇都宮 民治(鹿児島市医師会病院 消化器内科) |
共同演者 | 内園 均(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 岩切 裕二(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 下川原 尚人(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 伊東 徹(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 前畠 良智(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 岡江 耕二郎(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 中武 信純(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 鉾之原 英(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 山口 淳正(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 田畑 峯雄(鹿児島市医師会病院 外科) |
抄録 | 胃癌に対するESDの適応拡大が叫ばれて久しいが、当院においては、基本的に胃癌ガイドライン適応内病変に対してのみESDを行っている。しかしながら、様々な理由により適応外病変に対する治療を行っている場合が少なからず存在している。今回当院における適応外病変に対するESDについて、検討したので報告する。 当院では現在まで392件の胃癌に対してEMRを行い、219件がnon ESD、173件がESDにより行っている。全体の内103件(26%)が適応外病変であった。103件のうちnon ESDが54件(28%)、ESDが49件(25%)であった。ESD49件のうち、1)ul(-)で2cm以上の症例は20件あり、4件が断端陽性で内2件が手術となり、1件で癌の残存を認めた。手術しなかった18件は現在明らかな再発なく経過観察中である。2)ul(+)で3cm以下の症例は4件あり2件で断端陽性であった。4件とも手術せず経過観察中である。3)sm1で3cm以下の症例は7件あり、2件が手術となり、1件で癌の残存とリンパ節転移を認めた。その症例はsm1までの浸潤であるにもかかわらず、ly3であった。切除標本上、ssにlyを認め、2群までのリンパ節転移を認めていた。その後10ヶ月で癌死した。4)ul(-)で2cm以下の低分化癌の症例は4件あり、いずれも断端陰性であったが、1件のみly1にて手術となった。切除標本上は癌の残存を認めなかった。5)完全適応外は14件あり、全て深達度sm2以深で、4件は低分化腺癌であった。6件が手術となったがいずれも切除標本上癌の残存は認めなかった。手術をしなかった理由としては、合併症により手術不可能だったものが5件、本人拒否が3件あった。 今後ESDの適応拡大に伴いESD件数が増加することになる。その中には、今までと同様に2割程度の適応外病変が入ってくる事が予想される。そのため適応拡大後の適応拡大病変に対する追加治療の方針や、完全適応外病変の本人手術拒否例に対する検討がますます必要と思われる。 |
索引用語 | 胃癌, ESD |