セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告5

タイトル 消P-455:

intensive GCAPにて入院を回避しえた重症潰瘍性大腸炎の3例

演者 大森 敏秀(大森敏秀胃腸科クリニック)
共同演者
抄録 近年潰瘍性大腸炎の治療選択肢が増え、入院前の外来治療にて寛解導入が可能になり、入院病床を持たない開業医での重症の患者の寛解導入療法も可能になっている。【症例1】30歳男性、20歳初発の全結腸型潰瘍性大腸炎UCで近医にてPSL 5mgにて維持治療されていた。H19.11 から血便15回の増悪で紹介され(PSL総量10000mg超)緊急内視鏡にてbackwash ileitisとバウヒン弁からの静脈出血が見られた。即刻GCAP 45ml/min, 90min の週2回治療を開始して寛解導入しPSLも中止出来た。以後再燃なく通院中。【症例2】高校1年生女性、腹痛と判然としない下痢血便で大学病院初診してIBSとして鉄剤などが処方された。H20.2 に高熱下痢血便にて当院を紹介初診、Hb8.7g/dl で大腸内視鏡にて浮腫出血著しくS状結腸までの挿入であった。PSL 未使用でintensive GCAPスタート開始8回で寛解し、治療後の内視鏡観察したところ広範囲粘膜脱落後のUC粘膜治癒であった。以後無症状にて通院も不定期がちで、大学受験にも成功した。【症例3】38歳男性、H21.5 発症し大学病院に3ヶ月入院してIVHされたがCAP治療されずにPSL静注で寛解せぬまま退院し H22.1 にPSL中止されて同年5月に下痢10回持続で当院に紹介された。(PSL総量推計20000mg弱)CF-1 にて下行結腸狭窄と潰瘍を伴う全結腸型でintensive GCAPとPSL60mg内服治療を行い寛解した。生活の乱れから再燃しGCAP 2シリーズ治療は PSL 不使用、AZA 増量にて寛解した。【結語】UC初発再燃時にはCFを躊躇せずに即施行し、治療法を見定め5-ASA を最大量使用し、安易なPSL増減をせず、外来GCAPを強力に行うことで入院治療を減らすことが可能と考えられる。
索引用語 GCAP, 外来治療