セッション情報 一般演題

タイトル 48:

インフリキシマブ投与により乾癬を発症したクローン病の一例

演者 梅野 淳嗣(九州大学大学院病態機能内科学)
共同演者 松本 主之(九州大学大学院病態機能内科学), 占部 和敬(九州大学大学院皮膚科学), 飯田 三雄(九州大学大学院病態機能内科学)
抄録 症例は38歳、女性。2003年、口腔内アフタ、外陰部潰瘍、毛嚢炎を認め、不全型ベーチェット病と診断された。プレドニゾロン、アザチオプリンを投与されるも、再燃寛解を繰り返していた。平成17年8月に下血、腹痛を認め、下部消化管内視鏡検査で終末回腸から上行結腸に多発する小アフタ、開放性潰瘍を認め、腸病変はクローン病に合致する所見であった。10月上旬より腹痛、下血、38℃の発熱、口腔内アフタ、陰部潰瘍が増悪したため、10月28日より0,2,6週インフリキシマブ(5mg/kg)投与を行ったところ、症状は軽快した。しかし平成18年1月中旬より顔面に蝶形紅斑が出現し、1月末より手掌、足底を中心に膿疱が出現し、四肢、体幹にも鱗屑を伴った紅斑が出現した。経過観察で軽快傾向にあったため、2月4日にインフリキシマブを再投与した。その後皮疹が増悪し、掌蹠膿疱症を伴う乾癬と診断された。乾癬はインフリキシマブ投与により誘発されたものと考えられた。近年、インフリキシマブは乾癬の新しい治療薬として注目されている。その反面、インフリキシマブ投与により乾癬を発症したとする例も数例報告されている。本邦では報告はなく、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 乾癬, レミケード