セッション情報 一般演題

タイトル 173:

B型急性肝炎とアメーバ赤痢を併発したMSM(men who have sex with men)の1症例

演者 秋山 和之(福岡徳洲会病院 総合内科)
共同演者 渡邉 秀之(福岡徳洲会病院 総合内科), 松本 修一(福岡徳洲会病院 総合内科)
抄録 症例は30歳、男性。MSM(men who have sex with men)。2005年6月、血便が排便の度に出現したため、近医受診し下部消化管内視鏡施行される。潰瘍性大腸炎疑いでペンタサ処方され内服継続するも軽快しなかった。2005年7月1日、尿の色が濃い(茶色)事に気付く。同日より食後嘔気が出現し、全身倦怠感、食欲低下出現した。その後も全身倦怠感続き安静にしていた。7月4日夜、母親に黄疸指摘され、翌7月5日、当科外来受診となる。入院時検査所見で、AST 1000IU/l、ALT 2600IU/l、LDH 960IU/l、ALP 332IU/l、γ-GTP 178IU/l 、Alb 4.8g/dl、T-Bil 11.4mg/dl、PT-INR 1.20、NH3 83μg/dl 、HBs抗原(+)C.O.I 2000、IgM-HBc抗体(+)S/CO値28.3であった。B型急性肝炎の診断で保存的加療を行い退院となる。後日HBV genotype Aと判明した。血便に関しては、経過中も持続していた。退院後、下部消化管内視鏡検査を施行したところ回盲部、S状結腸部にアフタ様のびらんを認め、病理組織検査によりアメーバ赤痢と診断した。メトロニダゾールを10日間内服したところ、下血は消失した。本症例では、結果的にB型急性肝炎とアメーバ赤痢を併発していた。両者の感染様式として性行為に基づくものと考えられ、性行動の変容を促し感染予防を指導した。
索引用語 B型急性肝炎, アメーバ赤痢