セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 29:ケトアシドーシスに合併した急性壊死性食堂炎の3例 |
演者 | 石川 寛子(公立学校共済九州中央病院) |
共同演者 | 姫野 利隆(公立学校共済九州中央病院), 中原 束(公立学校共済九州中央病院), 檜沢 一興(公立学校共済九州中央病院), 宮本 竜一(公立学校共済九州中央病院), 松本 主之(九州大学病態機能内科学), 飯田 三雄(九州大学病態機能内科学) |
抄録 | 急性壊死性食道炎は上部内視鏡検査で食道粘膜にびまん性の黒変を特徴とした極めて稀な疾患である。今回我々は比較的短期間にケトアシドーシスに合併した急性壊死性食道炎の3例を経験したので報告する。〔症例1〕37歳女性。1型糖尿病で加療中であったが、動悸、頻回嘔吐の後胸背部痛が出現したため入院。内視鏡検査にて上部食道からEC junction直上まで全周性に黒変を認め、胃粘膜は正常であった。精査の結果バセドー病の発症によるケトアシドーシスと診断。基礎疾患の治療と伴に絶食、PPI、抗生剤の投与を行い、第23病日に行った内視鏡検査では黒色粘膜は消失し、白苔で覆われていた。〔症例2〕25歳男性。1型糖尿病にて加療中であったが、発熱、倦怠感、血性嘔吐が出現したため入院。精査の結果糖尿病性ケトアシドーシスと診断、インスリン持続静注を開始した。入院同日の内視鏡検査にて上部食道からEC junctionにかけて全周性に白苔が付着し、中下部食道に全周性に食道粘膜の黒変を認め、胃粘膜は正常であった。絶食、PPI、粘膜保護剤の投与にて症状は軽快、第9病日目に経過良好にて退院となった。〔症例3〕53歳男性。2型糖尿病にてインスリン治療中であったが、血糖コントロールは不良であった。全身倦怠感の出現と伴にインスリンを自己中断し、頻回嘔吐が出現した翌日意識障害を認めたため入院。検査の結果糖尿病性ケトアシドーシスと診断し、インスリン持続静注を開始。入院後頻回に嘔吐が持続するため第3病日目に内視鏡検査を施行。門歯30cmより瀰漫性に白苔で覆われ、下部食道は帯状に粘膜は黒色を呈しており、易出血性であった。絶食、PPI投与にて第9病日目の内視鏡検査では黒色粘膜は消失し、白苔に覆われていた。結語:最近急性壊死性食道炎を3例経験し、本症例は本邦報告で5例ときわめて稀な疾患であるため文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 食道炎, ケトアシドーシス |