セッション情報 一般演題

タイトル 57:

食餌性イレウスの3症例

演者 永富 式子(共愛会 戸畑共立病院 )
共同演者 二宮 風夫(共愛会 戸畑共立病院 ), 松垣 諭(共愛会 戸畑共立病院 ), 最所 大輔(共愛会 戸畑共立病院 ), 佐々木 英(共愛会 戸畑共立病院 ), 下河辺 正行(共愛会 戸畑共立病院 ), 浜田 茂(共愛会 戸畑共立病院 ), 剣持 邦彦(共愛会 戸畑共立病院 )
抄録 食餌性イレウスの3症例共愛会戸畑共立病院 永富式子、二宮風夫、松垣諭、最所大輔、佐々木英、下河辺正行、浜田茂、剣持邦彦(はじめに)食餌性イレウスは、比較的頻度が少なく診断が困難で保存的に軽快しないことが多い。今回我々は、開腹手術となった食餌性イレウスの3症例を経験したので報告する。(症例1)78歳女性、嘔吐腹痛にて受診。腹部単純X線撮影にて小腸に鏡面像を認めイレウスと診断。イレウスチューブ挿入、腹部CT造影検査にて閉塞部位は不明であったが、イレウスチューブからの造影後の腹部CT検査にて小腸中心部にガスを伴う卵円形の軟部影を認め、その辺縁部に造影剤の縁取りを認めた。異物による閉塞を強く疑い、開腹手術を施行。トライツ靱帯より約100cmに約4cm大の果実を認め、一部腸管の鬱血も見られた。(症例2)89歳女性、腹痛嘔吐にて来院。既往歴は胃癌の手術歴、糖尿病。腹部単純X線撮影にて小腸の鏡面像を認めた。保存的に治療を行っていたが、改善傾向を認めず、イレウスチューブ造影にて蟹の爪様所見を認め、開腹手術を行った。トライツ靱帯より約100cmに塊状物の嵌頓を認め、粘膜には一部潰瘍を認めリンパ節の腫大を認めたため、腸管部分切除を行った。塊状物は約40×40×30mmで組成はタンニン95%であった。茶葉を食べる習慣があり茶葉による胃石と診断した。(症例3)74歳男性、既往歴は虫垂炎・胃潰瘍手術歴、脳出血後遺症。腹痛にて来院。腹部全体に圧痛、ブルンベルグ氏症候を認め、軽度の筋性防御を認めた。腹部CTにて、小腸内腔より小腸外に達する線状高吸収域を認め、遊離ガスを認めた。異物穿孔に伴うイレウスを疑い、開腹手術を行った。小腸に約5cm大の魚骨の穿通を認めた。(考察)今回、果実の誤飲・茶葉摂食習慣による胃石・魚骨による食餌性イレウスの3症例を経験した。いずれも、入院時の問診にて摂取の記憶はなく、このように診断に苦慮するイレウスは、食餌性イレウスの存在を念頭に置き異物様の発見に留意し、開腹手術が必要と思われた。
索引用語 食餌性イレウス, 画像診断