セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-症例報告5

タイトル 消P-456:

インテンシブGMA療法を施行したクローン病の2例

演者 加藤 真吾(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科)
共同演者 可児 和仁(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 高林 英日己(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 山本 龍一(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 屋嘉比 康治(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】近年、炎症性腸疾患の治療法はめざましく進歩し、infliximab (IFX)などの生物学的製剤の登場によりクローン病の寛解導入率も著明に向上した。しかし、IFXではアナフィラキシー反応などの副作用の報告やhepatosplenic T-cell lymphomaの合併の報告も散見される。顆粒球除去療法Granulocyte and monocyte adsorptive apheresis (GMA)は近年本邦にてクローン病に適応が拡大された。しかし、日常に診療において週1回のGMA療法では寛解導入に至らない症例があるのも事実である。潰瘍性大腸炎においては週2回のインテンシブ療法が保険診療で適応可能であるが、クローン病においてはその有効性の報告はほとんどなされていない。今回、われわれは当院におけるクローン病の対する週2回のインテンシブGMA療法が有効であった2例について報告する。【方法】アダカラム(JIMRO)を使用した。治療法として週1回の通常のGMA療法と週2回のインテンシブGMA療法を施行した。治療効果の判定としてCDAIおよびCRPの変化を測定した。【成績】症例1:21歳女性。大腸型クローン病。従来の5ASA内服に抵抗例で、ご本人がステロイド、IFXおよび免疫調整剤による加療に同意が得られず、週1回のGMA療法を施行したが、効果が少なく、インテンシブGMA療法を施行したところCDAI305から136と寛解導入に至った。症例2:28歳男性。小腸大腸型クローン病にてIFX効果減弱例。腹痛下痢などの自覚症状が強いためCDAI200以下(軽症)を目指したIFX+GMA療法を施行した。週1回のGMA療法ではCDAI<200は得られず、症状が強いため,インテンシブGMA療法に変更した。CDAIは著明に低下して寛解導入に至った。2例ともHbの著明な低下はなく加療は継続可能であった。CRPも治療により低下した。【結語】インテンシブGMA療法は週1回のGMA抵抗例でも有効であり、今後、クローン病の寛解導入療法としてさらに検討する必要があるものと考えられた。
索引用語 クローン病, GMA