セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 23:大腸全摘術後に十二指腸病変を発症した潰瘍性大腸炎の一例 |
演者 | 藤澤 律子(九州大学 大学院 病態機能内科学 ) |
共同演者 | 松本 主之(九州大学 大学院 病態機能内科学 ), 中村 昌太郎(九州大学 大学院 病態機能内科学 ), 江崎 幹宏(九州大学 大学院 病態機能内科学 ), 八尾 隆史(九州大学 大学院 形態機能病理学), 壬生 隆一(九州大学 医学部 保健学科), 飯田 飯田(九州大学 大学院 病態機能内科学 ) |
抄録 | 症例は29歳女性,主訴は上腹部痛。1993年に潰瘍性大腸炎(UC)を発症し、1995年に中毒性巨大結腸症のため大腸全摘回腸嚢肛門吻合術を施行された。以後、無投薬で経過良好であったが、2003年9月に上腹部痛が出現。上部消化管内視鏡検査で十二指腸第二部の粗米造粘膜を指摘されラニチジン300mgの投薬を受けた。2005年3月に再び上腹部痛が出現し、上部消化管内視鏡検査で十二指腸球後部から第二部にびまん性の粗米造粘膜と多発潰瘍を認めたため、精査目的で当科入院となった。低緊張性十二指腸造影検査では十二指腸第二部から下十二指腸角にかけてKerckring皺襞の平低化、粘膜集中像、および扁側性変形を認めた。ダブルバルーン小腸内視鏡検査では第三部より肛門側は正常で、病変はほぼ十二指腸に限局していることが確認された。なお、十二指腸の生検病理組織では非特異的炎症所見を認めるのみで類上皮細胞肉芽腫は検出されなかった。同時期に施行した下部消化管内視鏡検査では、回腸嚢口側小腸に小潰瘍の散在と回腸嚢内には血管透見の乱れた発赤粘膜を認め、軽度の回腸嚢炎を認めた。ラニチジンに加えてメサラジン2250mgの投与を開始し症状は消失したが、8週間後の上部消化管内視鏡検査では十二指腸病変に明らかな改善は認められなかった。UCの経過中、あるいは術後にびまん性十二指腸病変を合併することが知られている.本例でも大腸全摘術後に十二指腸病変が出現しその経過が追えたので、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 十二指腸病変 |