セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 126:C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療にて潰瘍性大腸炎が改善した一例 |
演者 | 山口 由美(宮崎大学医学部第二内科) |
共同演者 | 三池 忠(宮崎大学医学部第二内科), 沼田 政嗣(宮崎大学医学部第二内科), 楠元 寿典(宮崎大学医学部第二内科), 蓮池 悟(宮崎大学医学部第二内科), 児玉 眞由美(宮崎大学医学部第二内科), 永田 賢治(宮崎大学医学部第二内科), 宇都 浩文(宮崎大学医学部第二内科), 林 克裕(宮崎大学医学部第二内科) |
抄録 | <はじめに>C型慢性肝炎に対してインターフェロン(IFN)治療が一般に行われるようになり、様々な基礎疾患合併例への投与も増加している。今回、我々は潰瘍性大腸炎(UC)を合併するC型慢性肝炎のIFN治療中、UCの症状および内視鏡所見の改善を認めた1例を経験したので報告する。<症例>66歳男性。1990年発症の左側結腸型のUCの治療中、C型慢性肝炎を指摘された。ウルソデオキシコール酸内服加療でAST/ALTは20~30IU/lであった。Genotype 2a, HCVコア抗原 182.5 fmol/ml, HCV-RNA(PCR) 34KIU/mlで、IFN治療目的にて入院となった。入院時、サラゾピリン(SASP)3500mg/day内服中でUC の臨床的重症度は中等症、内視鏡所見はS状結腸に血管透見消失、小びらん、膿性分泌物を認め中等症であった。また、脳動脈瘤を合併しており、出血の危険性やIFN投与によるUCの増悪の可能性があることを十分に説明し、IFNβ治療を開始した。投与開始1週間は、便潜血陽性と便回数の増加を認めたが、その後、便潜血陰性、便回数減少(2~3回/day)で臨床的重症度は軽症となった。投与開始8週後の内視鏡所見の改善(軽症)を認めた。IFN終了1ヶ月後、症状は軽症のままで、内視鏡所見でS状結腸に内視鏡所見の増悪(軽症から中等症)を認めた。HCV-RNAは投与後3週間後には陰性化し、投与後3ヶ月経過するも陰性化している。<まとめ>本邦ではUCを合併するC型慢性肝炎に対して、IFN投与でUCの増悪する症例や増悪しない症例を散見する。本例では、IFN投与期間中のUCの症状、内視鏡所見の改善を認めた。今後、同様の合併症を有する症例への投与が増えることが予想されるが、投与に際しては十分な検討とインフォームドコンセントを行なったうえで施行すべきと考えられた。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, インターフェロン |