セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
85:部分的脾動脈塞栓術併用IFN治療によりSVRが得られ、RFA後長期に無再発期間が得られたC型肝細胞癌の1例
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演者 |
秦 順子(大分医療センター 消化器科) |
共同演者 |
本田 浩一(大分医療センター 消化器科), 荒川 光江(大分医療センター 消化器科), 長門 仁(大分医療センター 消化器科), 福地 聡士(大分医療センター 消化器科), 室 豊吉(大分医療センター 消化器科), 森 哲(大分大学付属病院消化器内科), 清家 正隆(大分大学付属病院消化器内科) |
抄録 |
【はじめに】ラジオ波焼灼療法(RFA)の普及により肝細胞癌の局所治療の成績は大きく向上したが、C型肝炎患者ではその後の高率な再発が問題である。当科では肝機能が良好な症例ではインターフェロン(IFN)治療による再発予防を積極的に行っているが、血小板数が低く導入困難な症例が多く存在する。今回、我々は部分的脾動脈塞栓術(PSE)により血小板数を増加させた後IFN治療を導入しSVRとなり、HCC再発予防が可能であった症例を経験したので報告する。【症例】66歳、女性。26歳時輸血歴あり。44歳時にはじめて肝障害を指摘。55歳時にC型慢性肝炎と診断され、IFN治療を受けたがNR。以後、肝庇護療法を行っていた。今回、近医で腹部CTが施行され、HCCと診断され当科へ紹介。HCCはS7、2.6cmで、chomolipiodolization後にRFAを行なった。3ヵ月後にIFN治療目的で再入院。血液生化学検査ではplt 7.7×104/μl, PT93.2%, alb 4.1g/dl, T-bil 0.8mg/dl,GOT56IU/l,GPT63IU/l、肝生検ではF3/A2の活動性肝炎の所見を認めた。血小板数が低値であるため、PSEを施行。その後、血小板数は12.6×104/μlまで上昇した。IFNβ600万単位を2週間連日先行投与し、IFNα2b600万単位を2週間連日投与後、22週間週3回投与を行った。IFN投与終了6ヵ月後もウイルスの陰性化は持続し、SVRと判断した。現在RFA後から36ヶ月経過しているが、HCCの再発は認めていない。【結語】肝細胞癌に対するRFA治療後は、残存するHCV持続感染のため高率に肝癌の再発を認める。IFNによる根治療法は最も効果的な再発予防法と考えられるが、肝機能は不良のため導入できない症例が多い。肝機能良好例でも血小板数が低値であるため導入できない症例があり、このような症例においてはPSEが有効な補助的手段となると考えられる。 |
索引用語 |
RFA, PSE後のIFN |