セッション情報 一般演題

タイトル 104:

多発肝転移を伴った径1cm大の直腸カルチノイド腫瘍の1例

演者 与儀 竜治(沖縄赤十字病院)
共同演者 小波津 寛(沖縄赤十字病院), 仲眞 美貴(沖縄赤十字病院), 田中 健児(沖縄赤十字病院), 小橋川 ちはる(沖縄赤十字病院), 金城 揚子(沖縄赤十字病院), 又吉 亮二(沖縄赤十字病院), 金城 福則(琉球大学医学部光学医療診療部), 藤田 次郎(琉球大学医学部感染病態制御学講座)
抄録 【はじめに】本邦における消化管カルチノイドは直腸に最も好発され,多くは1cm以下,壁深達度smで発見され,転移の可能性が低いため,通常内視鏡的切除とその後の局所の定期的観察が行われている.しかし,リンパ節転移や肝転移をきたした1cm以下の直腸カルチノイドの報告も散見される.今回,我々は多発肝転移を来たした1cm大の直腸カルチノイドの1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.【症例】75歳,男性.腹部膨満感を主訴に平成17年10月に当院を受診し,腹部超音波にて肝S8に径13-20mm程度のsolid massが3個存在した.11月の大腸内視鏡検査にて直腸に1cm大の表面平滑で黄白調を呈する腫瘤性病変あり.生検にてカルチノイドと診断された.直腸カルチノイドに対して超音波内視鏡検査を施行.第3層を中心にlow echoic lesionを認め,一部第4層の壁肥厚を認め,固有筋層までの浸潤が示唆された.肝腫瘤に対し,12月に肝生検を施行し,肝カルチノイドと診断.直腸からの転移と考えられた.【まとめ】多発肝転移を伴った径1cm大の直腸カルチノイド腫瘍の1例を経験した.1cm大の直腸カルチノイドといえども,安易に内視鏡的切除を行うのではなく,治療前後に転移の有無を慎重に評価する必要があると考えられた.
索引用語 直腸カルチノイド, 転移性肝カルチノイド