セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
90:B型慢性肝炎に対するラミブジン治療中止例の検討
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演者 |
樋口 野日斗(新日鐵八幡記念病院 消化器科) |
共同演者 |
内村 浩太郎(新日鐵八幡記念病院 消化器科), 梶原 英二(新日鐵八幡記念病院 消化器科) |
抄録 |
【はじめに】B型慢性肝炎または肝硬変患者に対するラミブジン治療中止後の経過について検討を行った。【症例】2000年6月から2005年12月までにラミブジンを投与開始し半年以上経過観察したB型慢性肝炎または肝硬変例は57例。ラミブジンの投与を中止した症例が26例で中止後1年以上経過観察した症例20例を検討した。【結果】症例は男性:女性が17:3、年齢は平均47.4歳(23-63歳)、治療前のHbeAg陽性6例、陰性14例。平均観察期間は52.5か月(35-64か月)、ラミブジンの平均投与期間は21.5か月(10.5-39か月)であった。また中止後ALTが正常値の2倍以上に上昇(フレア)した症例が11例あり、中止後フレア出現までの平均期間が6.9か月(2-18か月)であった。中止後3か月目:6か月目:12か月目のフレア出現率はそれぞれ20%:35%:50%であった。フレア群と非フレア群の背景因子の比較では、フレア群が投与前のHBV-DNA量が有意に多かった(7.1±0.85 v.s. 6.3±0.96 : p<0.05)。またALTが正常化してから中止までの期間・DNAが陰性化してから中止までの期間・HBe抗原抗体セロコンバージョンしてから中止までの期間は両群間で有意差を認めなかった。更にフレア後のラミブジン再投与例が9例あり、ALTの3か月目:6か月目:12ケ月目の再正常化率はそれぞれ37.5%:75.0%:75.0%、HBVDNAの3か月目:6ケ月目:12ケ月目の再陰性化率は75%:87.5%:87.5%であり、初回投与時(正常化率36.8:49.1:66.7,陰性化率45.6:71.9:79.8)と有意差は認めなかった。またALT正常化時期及びDNA陰性化時期は、再投与開始時の背景因子による有意差を認めなかった。【考察】ラミブジン中止後のALT再上昇(フレア)の出現は投与開始前のHBVDNA量が多い症例によりみられたが、ラミブジン再投与時の効果は初回投与時と遜色なく、再投与まで考慮すれば中止を検討してもよいと思われる。 |
索引用語 |
B型慢性肝炎, ラミブジン |