セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 116:虚血性腸炎の2例 |
演者 | 長濱 正吉(琉球大学 医学部 器官病態医科学講座病態消化器外科学分野) |
共同演者 | 澤岻 安勝(琉球大学 医学部 器官病態医科学講座病態消化器外科学分野), 野里 栄治(琉球大学 医学部 器官病態医科学講座病態消化器外科学分野), 下地 英明(琉球大学 医学部 器官病態医科学講座病態消化器外科学分野), 佐村 博範(琉球大学 医学部 器官病態医科学講座病態消化器外科学分野), 友利 寛文(琉球大学 医学部 器官病態医科学講座病態消化器外科学分野), 白石 祐之(琉球大学 医学部 器官病態医科学講座病態消化器外科学分野), 西巻 正(琉球大学 医学部 器官病態医科学講座病態消化器外科学分野) |
抄録 | 【はじめに】虚血性腸炎は腸間膜動脈などの器質的閉塞を伴わない粘膜の潅流不全であり突然発症する下血や下痢が特徴である。好発部位はS状結腸から下行結腸とされている。また高血圧症や糖尿病、動脈硬化などの血管系の基礎疾患を伴うものが多い。今回私達は便秘が誘因だと推測される虚血性腸炎を経験したので報告する。【症例1】60歳代、女性。既往歴に高血圧症、高脂血症、甲状腺機能低下症があり内服治療をうけている。普段から便秘傾向で時々下剤を内服しコントロールしていた。2006年1月上旬、数日間排便がなかったため下剤を内服、翌日起床時にこれまで経験したことのないような腹痛と血便を認めたため近医受診、緊急下部消化管内視鏡検査(以下、CF)が施行された。肛門縁より5cmから口側に縦走潰瘍を認め虚血性腸炎と診断された。精査加療目的で当科紹介入院となった。入院後絶飲食、補液管理を行い臨床症状が軽快したため第7病日から飲水開始、第8病日から食事も再開した。その後は臨床症状の増悪はなかった。第14・20病日に施行したCFでは肛門縁から25-35cmと40cmに縦走潰瘍を認め改善傾向であった。【症例2】50歳代、女性。既往歴に高血圧症があり内服治療をうけている。2005年11月に直腸癌の診断で腹腔鏡補助下高位前方切除術が施行されている。2006年1月中旬、下腹痛が出現した。翌日当院救急外来受診し便秘症の診断で浣腸が施行され排便がみられた。臨床症状も軽快したため一旦帰宅したが自宅で下血し、翌日再来後緊急入院となった。同日のCFで肛門縁から15cm-70cmに多発性糜爛と縦走潰瘍を認めた。入院後絶飲食、補液管理を行い臨床症状は軽快した。第9病日のCFにおいて潰瘍は改善傾向を認めた。第10病日から食事開始しその後は腹部症状の増悪は認めていない。【まとめ】便秘に関連したと思われる虚血性腸炎の2例を経験した。2例とも女性でS状結腸から下行結腸に発症し高血圧症を基礎疾患として伴っていた。 |
索引用語 | 虚血性腸炎, 縦走潰瘍 |