セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
124:中毒性巨大結腸症から穿孔を来した潰瘍性大腸炎の一例 九州厚生年金病院 内科 安田桂子 五島寛 山下信行 長野政則
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演者 |
佐多 桂子(九州厚生年金病院 内科) |
共同演者 |
五島 寛(九州厚生年金病院 内科), 山下 信行(九州厚生年金病院 内科), 長野 政則(九州厚生年金病院 内科) |
抄録 |
中毒性巨大結腸症から穿孔し、診断に至った潰瘍性大腸炎の一例を経験した。症例は44歳、男性。平成17年6月下旬より食欲低下、水様性下痢を認めた。一旦は軽快したが7月初旬より再び頻回の水様性下痢が出現した。近医でニューキノロン系の抗菌剤を投与されたが7月7日より上腹部から臍周囲にかけての疼痛、17日頃より鮮血便が出現し7月19日当院へ精査加療目的で入院した。臨床症状や全大腸内視鏡検査など画像検査より、感染性腸炎や潰瘍性大腸炎など鑑別に挙げたが確定診断に至らず経過した。7月27日排便後、突然の激痛、腹部膨満、打診で鼓音を認め、腹部単純XpとCT撮影を行ったところ腸管拡張を伴う腸穿孔のため同日緊急手術となった。中毒性巨大結腸症と診断した。術後5日目に行った大腸内視鏡検査での生検結果は潰瘍性大腸炎に合致するものであったが、確定診断に至る前よりステロイドパルス療法を開始し以後漸減、ステロイド注腸、メサラジン内服を併用した。腹部症状は軽快、経口摂取も比較的早期より可能となり経過良好であったため9月2日に退院した。当初内視鏡検査所見や病理所見にても潰瘍性大腸炎の確定診断は困難であった。全大腸内視鏡検査が潰瘍性大腸炎の増悪とひいては中毒性巨大結腸症への増悪を早めた可能性があった。下痢や血便を伴った症例では、潰瘍性大腸炎の可能性を常に念頭におき、大腸に負担のかかる検査を行う際には注意を要する。 |
索引用語 |
中毒性巨大結腸症, 潰瘍性大腸炎 |