セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸-症例報告5 |
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タイトル | 消P-458:クローン病に対しインフリキシマブとアザチオプリン維持投与中に急性骨髄単球性白血病を発症し、化学療法後の骨髄移植により寛解導入された一例 |
演者 | 高塚 正樹(大阪市立大大学院・消化器内科学) |
共同演者 | 渡辺 憲治(大阪市立大大学院・消化器内科学), 新藤 正喜(大阪市立大大学院・消化器内科学), 浦岡 好華(大阪市立大大学院・消化器内科学), 伊藤 良恵(大阪市立大大学院・消化器内科学), 森本 謙一(大阪市立大大学院・消化器内科学), 細見 周平(大阪市立大大学院・消化器内科学), 鎌田 紀子(大阪市立大大学院・消化器内科学), 十河 光栄(大阪市立大大学院・消化器内科学), 町田 浩久(大阪市立大大学院・消化器内科学), 岡崎 博俊(大阪市立大大学院・消化器内科学), 谷川 徹也(大阪市立大大学院・消化器内科学), 山上 博一(大阪市立大大学院・消化器内科学), 富永 和作(大阪市立大大学院・消化器内科学), 渡辺 俊雄(大阪市立大大学院・消化器内科学), 藤原 靖弘(大阪市立大大学院・消化器内科学), 荒川 哲男(大阪市立大大学院・消化器内科学) |
抄録 | 【症例】30歳代男性【家族歴】炎症性腸疾患や血液疾患を認めず【現病歴】10歳時にクローン病(CD)(小腸大腸型)を発症、2002年3月に結腸亜全摘、回腸S状結腸吻合術を施行された。2003年3月の再燃時よりアザチオプリン(AZA)併用下にインフリキシマブ(IFX)の維持投与が開始されるも直腸の潰瘍は寛解に至らなかった。2009年末頃より倦怠感、発熱出現、2010年3月初旬の血液検査で末梢血に芽球、幼若顆粒球を認めたために施行の骨髄検査で急性骨髄単球性白血病と診断した。ミトキサントロン、エトポシド、シタラビンによるMEC療法行い寛解導入し、MEC地固め療法を3クール行った後、骨髄移植目的にて同年11月入院となった。【入院時現症】肛門部排膿あり、リンパ節の腫脹を認めず、腹部所見に手術痕を認めるのみであった。血液検査上、Hb 9.9g/dlと貧血を認め、CRP 1.14mg/dlと軽度の炎症反応の上昇を認めた。【入院後経過】ブスルフェクス+フルダラによる化学療法後、入院第18病日同種骨髄移植施行しタクロリムス投与開始となった。第77病日大腸内視鏡施行、直腸の潰瘍はほぼ瘢痕化していた。白血病も寛解維持できており第80病日退院となった。【考察】AZAとIFXの併用治療を行った場合、青年層の男性CD症例において肝脾T細胞リンパ腫の発症リスクが高まることが注目されている。一方、2009年に発表された米国食品医薬品局(FDA)のalertでは、乾癬と並んで白血病に対する警鐘が鳴らされている。CDに対する生物学的製剤、免疫調整剤による治療が拡大するなかで、CDに合併した白血病に対し骨髄移植を行いCDも寛解導入、維持された症例報告が散見される。こうした背景のなかで本例に学ぶ意義は大きく、その経過に文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | クローン病, 白血病 |