セッション情報 |
ワークショップ1
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タイトル |
W-001:術前薬物療法後に切除した胃GISTの2例
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演者 |
加茂 泰広(長崎大学 大学院 移植・消化器外科) |
共同演者 |
永田 康浩(長崎大学 大学院 移植・消化器外科), 円城寺 昭人(長崎大学 大学院 移植・消化器外科), 兼松 隆之(長崎大学 大学院 移植・消化器外科) |
抄録 |
【はじめに】Gastrointestinal Stromal Tumor (GIST)の治療の原則は腫瘍の完全切除であるが、切除不能例に対しては薬物療法が適応となる。ガイドラインによればGISTに対してネオアジュバントを行う場合は、生検による確定診断が望ましいとされている。しかし、組織採取困難であることも多く、治療方針決定にはしばしば難渋する。【症例1】50歳、女性。腹部全体を占める巨大腫瘍にて精査を受け胃GISTと診断されたが、完全切除困難のためイマチニブの投与を行った。腫瘍の縮小を認めたが、投与2ヶ月にて嘔気、嘔吐が出現し、この時点で開腹、腫瘍の切除を行った。腫瘍の完全切除を行い、術後2年を経過し再発を認めていない。切除標本では免疫染色でKIT陰性、c-kit遺伝子の変異も認められなかった。【症例2】69歳、女性。胃上部後壁の腫瘍で膵臓、脾臓、横行結腸への浸潤が疑われた。イマチニブを投与し腫瘍は縮小、特に副作用は認めなかったが、この時点で切除可能と判断し、胃全摘、膵脾合併切除および結腸部分切除を行った。術後経過は良好であった。切除標本の免疫染色ではKIT陽性であった。【まとめ】提示した2例は術前薬物療法後に外科切除を行ったが、いずれも術前に組織診断を行うことは腫瘍散布の可能性があり行えなかった。GISTに対するネオアジュバントについて検討し報告する。 |
索引用語 |
GIST, 薬物療法 |